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茜side
流川の怪我の手当てのために
Aと流川を連れて私の家へ来た。
救急箱を探しに別室へ向かう。
勿論私の手では手当てなどできるわけが無いので、それはAにお願いする。
喧嘩なんていつもしてるもんだから手当てなんて一度もしてあげたことない。
ちょっと顔がいいからって目の敵にされやすいらしい。血を流して帰ってくるのも何度かみたこともあるが手当てをしてあげようなんて考えたことがなかった。
それなのにAは真っ先に手当てする、という行動に出ていた。
さすがAだ。
幼なじみの贔屓とかでは無く、あんなにも出来た女の子が存在するのか疑うほどに彼女は眩しいと思う。
眉目秀麗、成績優秀、肌も白く綺麗でスタイルもそこらの人と比べ物にならない。おまけに性格もいい誰もが目を引く人物であろう。
改めて考えると本当に凄い子だと思う。
流川ごときにそんな子が渡ってしまうというのは惜しいけど、ここはAに免じていいとしよう。
茜「救急箱みっけ!」
取り出してリビングへと戻る。
救急箱あったよ!と声をかける。
何か話してたらしい
邪魔しちゃったかな。
もう入ってしまったので戻る訳には行かない。
救急箱をAに渡すと慣れたような手つきで手当てをはじめる。私も何か出来ることは無いか、と探したがお茶菓子を出すくらいだった。
テーブルに置くと
こんなときでもありがとうと一言お礼を言ってくれる。
心が暖かくなる。
手当てもおわったらしい!
よし!できた!というAの声
ありがとという流川の声
ありがとう?私は衝撃を隠すことが出来ず思わず流川がお礼を言えることに対して衝撃を受けてしまい、思わずそれを口にしてしまう。
いつも通りうるせーと返ってくる。
意味の無い言い合いを繰り返した後、
2人とも仲良いよね!と言うA
いつもの調子で話してしまっていることに気づいた。
流川と幼なじみなのはしらないのだ。
Aには隠そうとして隠している訳では無いが。
言うタイミングがあったら言おうと思っていた。
それでも隠しているという事実は変わらない。
これをしったらAはどう思うのだろうか。
そう考えたら口に出すのを躊躇ってしまう。
流川はいつも通りなにも言わない。
弁明しようとも思っていないのだろう。
かと言って私も口を噤んでいる。
気付いたらなんとも言えない微妙な空気が流れ始めていた。
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作者名:ももちゃ | 作成日時:2022年12月20日 21時