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[愛を確かめよう?]
『は?愛?そんなの無いけど』
何を言ってるんだこの人
バチン!!
次の瞬間には私の頬に強い衝撃が来て、
身体がその衝撃の勢いで横に倒れた
[俺と愛し合ってただろ]
私に馬乗りになる男に、本格的に身の危険を感じた
その後も何も言わせて貰えずただひたすら頬を叩かれる
中途半端に力が入っていて唇に歯が当たったのか、
口の中に鉄の味が広がった
[お前は俺の物だ]
『ふざけんな!私は誰のものでもない!』
文句入ってみても馬乗りになられてる状態じゃ反撃なんて出来なくて、首元に手がかかって服のボタンが飛ぶ
[…もっと清純な色が似合うのに… ]
うるさいわ
人の下着にケチつけんな
そもそもお前に見せるためにつけてる訳じゃねぇわ
ああもう!
ここら辺でいつもならリノさんが助けに来てくれてるのに…
頭の中でそんなことを考えていて
やっぱり私、リノさんに頼っちゃってるのかもなんて
ヤツの手が本格的に私の肌に触れてきた
あまりの気持ち悪さに鳥肌と吐き気がする
『……リノ!触んなお前!やだ!リノ!!』
[…やっぱり新しい男が出来たんだな…
俺がいるのに他の男なんて許すわけないだろ!]
ズボンに手がかかった瞬間
『イリノ!何でこんな時に限って来ないんだよ!バカ!』
そう叫んだ瞬間ドアが蹴られた音と
私の体の上から相手が飛んだ映像
そして見なれた逞しい腕が相手の胸ぐらを掴んだ
『ストップ!リノ、ストップ!!』
相手を殴ろうとしてるリノを慌てて止める
さっき私の上から避けさせるために蹴ったんだろうけど、
その段階で意識を失ってる
後で相手が傷だらけだと何かと困るし…
すごく嫌だけど、リノを止めるしかない
『リノ、もうこの人意識ないから…』
力の強いリノを止めるために横から抱きついて腕も一緒に抱え込む
一度大きく息を吸い込んでから吐いて、ゆっくり私に視線を落として
LK「…血が出てる…」
口の端から血を拭ってくれて衣装のジャケットを掛けてくれた
LK「…遅くなってごめん…」
何でリノさんが泣きそうな顔してるのかな、
泣きたいのは私の方なのに…
でも、ここで泣いたからと言ってどうなる訳でもないし
泣いたら全てを認める気がして嫌だ
『遅かった…でも、名前呼んだらすぐ来てくれたよ』
LK「うん、怒鳴り声聞こえた…」
まるで壊れ物を扱うかのように抱きしめてくれた
リノさんの腕に収められて胸に抱きとめられて
リノさんの心臓の音と温かさで気持ちが落ち着いてきた
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作者名:まこと | 作成日時:2023年10月28日 20時