天使の妹は [完結] (ページ42)

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控え室を出て闇雲に探してもきっと見つからない
こういう時は冷静に探すべきだ
それは分かってるけど、どうもAのことだと思うと気持ちが焦る

とりあえず行き交う人を見ても普通に談笑してるから
変なやつを見た感じでは無い
じゃあ、そこら辺歩いてるわけじゃないんだろうな

空いてる部屋？
とりあえず歩いて出演者の名前が貼ってなかったり、ドアが閉じてる部屋を探す

コツ

LK「ん？」
なにか蹴飛ばしたなと思い下を見たら

化粧の筆？しかも少し汚れてるやつ

……まさかそんなベタな事あるか？←

控え室から少し離れて、一室だけドアの閉まった部屋
その前に落ちてる化粧用の筆
ベタすぎて何かのトラップかとも思うけど、そんなの仕掛けてもどうしようもないよな
そのドアに近づいてみれば

[俺がいるのに他の男なんて許すわけないだろ！]

男の怒鳴り声と誰かの呻く声
バシバシと叩かれてるような音

Aじゃなかったら一発お見舞いして次に行こう
Aだった場合…
状況によっては、俺、犯人○さないよな？←

『イリノ！何でこんな時に限って来ないんだよ！バカ！』

聞こえた声がやっぱりAだ

『ストップ！リノ、ストップ！！』

気がついた次の瞬間、俺はAにしがみつかれて止められてた

『リノ、もうこの人意識ないから…』

そう気丈に止めてくれてるけどAの手が震えてる
この人が怖かった？
それとも、今の俺が怖い？

LK「…血が出てる…」

口の端から血が出てる
触れてるAの頬が熱い
よく見たら服のボタンが飛んでて下着が見えてる

衣装のジャケットだけどAに被せる

LK「…遅くなってごめん…」
『遅かった…でも、名前呼んだらすぐ来てくれたよ』
LK「うん、怒鳴り声聞こえた…」

ゆっくりと震えるAを抱きしめた
こんな状況だから俺の事も怖いかもだけど、黙って抱きしめられてくれてるから大丈夫なんだと思いたい

『リノ、さん、』
LK「うん、」
『また助けて貰っちゃったねㅋㅋ』

声は笑ってるんだけど、俺の胸元から顔を離さないA
肩も震えてる
そりゃそうだよな、状況だけでも分かる
怖かったよな

LK「とりあえず戻って見つかった報告と、ヒョンにはDKヒョンに報告してもらわなきゃね」
『ドギョマ？』
LK「あのヒョンが教えに来てくれたんだよ、色々と、」

『…強制送還かな？』

そう言いながら俺の背中に手が回ってきた

『やだな…』

…この状況でそれは、俺と離れたくないって捉えるけど？