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撮られたら困るからと少し離れて私の後ろを歩くリノさん
確かに彼の言う通りなんだけど、
『リノさん…前を歩いてもらって良いですか?』
LK「前じゃ護衛にならないじゃん」
護衛って…
でも、そう言われたらそうなんだけど…
『すみません、どうしても後ろからの足音が気になってしまって…』
それこそ、リノさんとの出会いのあの事件
後ろから聞こえた靴音
私の歩く速度に合わせて聞こえる足音
どうしてもあれを思い出してしまって鳥肌が立つ
『リノさん達に助けられた時のあの人を思い出してしまうんです…』
LK「…じゃあ、撮られたらスタッフですって会見付き合ってね」
特に文句も言わずに(?)
私の横に並んで歩き出したリノさん
随分物分りがいい…けど、隣かよ
LK「俺としては彼女です、って会見でもいいけど?」
は?
また何かからかいだしたのか?
そう思って私より背の高いリノさんを見上げたのに、
その顔はからかってる顔じゃなくて優しい笑顔
“ 俺、結構気に入ってるよ”
あれは…そう言う意味なの?
『…えっと、』
何でそうなるんですか、違いますよね
いつもみたいに強気でそう答えればいい
堂々と違うでしょって言えばいいだけなのに、
その笑顔に見惚れたわけじゃない
綺麗な男の人なんて見慣れてるじゃない
口の悪い人も慣れてるし、からかってくる人も
全部オッパで慣れてるはずなのに…
なにこれ、
月明かりに照らされたリノさんの笑顔が綺麗すぎる
どうしちゃったんだろ、何も言葉が出てこない
LK「A?」
『と、年下の癖に呼び捨てなんて生意気な、』
何とか絞り出した言葉がこれって…
いきなり私、どうしちゃったのかな…?
とにかくこの変化に気付かれたくなくて歩き始める
LK「ちょ、何?照れてんの?ㅋㅋ」
『…照れてませんけど?何に照れるんですか、』
リノさん、めちゃくちゃ笑ってません?
やっぱり私の事からかってます?
スンミンさんと同じ扱いですか?
LK「えー?俺の彼女って話、いい話じゃない?」
いきなりなんだよ、このヒトの発言
何なの?
“気に入ってる”から“彼女”まで、めちゃくちゃ早くない?
しかもつい最近まで私と距離あったよね?
キャッチボールのつもりがドッジボールだったくらいの差なんだけど?
高低差で風邪ひくわ位のこと言える気がするんだけど
『…どこがいい話なんですか…』
それは、両想いの人達の話ですよね
私達は違うじゃないですか…
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作者名:まこと | 作成日時:2023年10月28日 20時