天使の妹は [完結] (ページ32)

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すっかりキャパオーバーな私
大した仕事してないのに疲れた
めちゃくちゃ疲れた
精神的に疲れた
もうヤダ←

それなのに私の隣でニヤニヤしてる悪魔うさぎ
何なの、兎🐰の絵文字使う人って、どこのチームも顔良いくせに一癖二癖以上ある人って決まってんの？

LK｢俺、結構気に入ってるよ、Aさんのこと｣

違う、意識しちゃダメ
誰にでも言うんだ、なんて言葉は今まで見てきた中でそんなこと無かったから言わないけど、
この人の事だから絶対なんか裏がありそうだもん

助けて貰ってヒーローだと思ったし、
めちゃくちゃかっこよく見えたけど…まぁ、実際かっこいいんだけど…

でも、私は一会社員
所属タレントさんをそんな目で見ていい訳ないし
そんな仲になるなんてありえない話

リノさんを探そうとした理由だって、
本当に純粋にちゃんとお礼がしたかったから

あれ？
そういえばお礼、してなくない？
いや、礼は要らないとは言われたけど、してなくない？
今更だけど…なんか差し入れでもするか？

いや、今のこの状況がよく分からないのに差し入れとかお礼って…もう何か違うかも…

会社に戻っても頭の中がグルグルしたままだったので
気付けばあっという間の一日
あの気に入ってる発言が、意識しちゃダメって思うほど頭の中を回る
私のどこを気に入る要素があるんだ？

LK「で、何時に帰んの？」
『うわあ！！』

後ろからいきなり聞こえた声に肩が跳ねる
びっくりした…

LK「ねぇ、夜遅くに歩いて帰って…襲われるの趣味なの？」
『…そんな趣味ないですけど』
LK「それとも、俺に送ってほしい？」
『…それは出来れば遠慮します』

チラッと時計を見たら…もう23時過ぎ…

LK「遠慮できる時間だと思ってんの？ほら、帰るよ」

『誰かに見られたら困るって…』
LK「じゃあ、こんな時間まで残ってないで早く帰れ」

問答無用で腕を引かれる

LK「荷物はこれだけ？」
『………』
LK「じゃ、これだけでいいか。物がなかったら明日会社に来たらあるし」
『…分かりました、帰りますから…』

こんな横暴な人、なかなかいないわ…
でも、横暴なんだけど優しいんだよ…

今まで身近にいなかったタイプ
でも、暴君気味なところと、その中にある分かりにくい優しさが何故かハニオッパと重なるから嫌だ
あの人から離れたはずなのに…

仕方なく会社を出て歩く

撮られたら困るからと少し離れて私の後ろを歩くリノさん
確かにその通りなんだけど…