5話 ページ6
Aside
及川「名前は？」
私をマネにすると決めた及川先輩は、私の名前を聞いてくる。
押すのもいいが、引いてみて注意を引くのもアリかな。
『…灘Aです…』
及川「う〜ん、すごく嫌そうな顔するね」
そりゃそうでしょ、私ナルシスト苦手ですもん。
及川「灘ちゃん、バレー部見てるだけのつもりなんだろうけど、よかったらバレー部のマネージャーをしてくれないかな？」
『断ります』
及川「…………なんで？！」
『今日はたまたま朝早く起きれただけですし、放課後は予定が詰まってるので、来る時間が無いんですよね』
及川「お、お願い！灘ちゃんならマネとして欲しいってみんな言ってるの！」
『いや〜、でも……』
言葉を続けようとした時、上から女子の甲高い声が聞こえる。
「及川さ〜ん！今日も頑張ってくださーい！」
「今日もかっこいいですねー！」
「ねぇ、誰、あの女。及川さんと馴れ馴れしく話してるけど」
「及川さん狙いであそこまで近づく？ありえないわ」
及川先輩を応援する声と混じって、私への陰口も聞こえてくる。
『…聞こえました？こんなこと言われるんですよ？』
及川「…それは、俺から言っておくからさ、マネージャーやって欲しいなぁ…」
思ったより粘られて困る。
ここで負ければイジメがすぐ終わってしまうかもしれない…、それは避けなくちゃ。
花巻「なぁ〜、俺からも頼むわ。割と灘ちゃんのおかげで練習捗ってるんだよね」
花巻先輩に言われると断りずらいんだよな〜…。
私も、マネージャー業務に少しだけ楽しさを覚えちゃってるからなぁ…。
『…しょーがないですね、3週間だけマネージャーやります』
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作者名：さBe | 作成日時：2022年1月25日 15時
