2話 ページ3
Aside
今日は朝早く起きれたから、いつもより1時間早めに学校に来た。
少し広めの体育館の横を通って下駄箱に向かうのが日常だが、今日は体育館裏でのんびりしてから行く。
誰もいないし、日も当たらないから、日中よりもひんやりしている。
『あ〜、落ち着く…』
「こんな寒いところで落ち着くんだな」
『え!?』
いきなりの出来事で、声のする方向を見れば花巻先輩がこちらを覗き込んでいた。
花巻「よっ」
『よっじゃないですよ…、なんで居るんですか?』
花巻「あー、バレー部の朝練があるんだよ。暇なら見てく?」
『え、バレー部…、腕が痛くなる球技ですよね?』
花巻「腕の痛みは、打ちどころや慣れの問題だな」
『んー…、めんどく、さ……………』
花巻「…ん?」
私はそこで言葉を詰まらせた。
バレー部って、みんなが王子様と噂している及川先輩がいるはず…。
その人と関わればもっと激しい痛みが味わえるかもしれない…。
もっと、もっと、誰かが私を虐めてくれるかも…!
『…見ていきます』
花巻「おっ!下じゃ危ないからギャラリーで見てな」
『いえ、ボール拾いでもさせてください。及川先輩のファンだと思われて嫌がられたくないんで』
及川先輩を間近で見て、話して、仲良くなれば私の生活は薔薇色になる。
花巻「あー、いいけど、流れ弾には気をつけろよ?」
『わかりました』
及川先輩をちゃんと見たことないからわからないけど、めっちゃカッコイイんだろうなぁ…。
(ガラガラッ)
『お邪魔しま〜す』
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作者名:さBe | 作成日時:2022年1月25日 15時