1話 ページ2
Aside
「はい、今日のお水ね♪」
(ﾊﾞｼｬｯ)
そう言って私に水をかけてきたのは、いじめの主犯格の女。
水をかけてきたら、主犯格以外の女たちが私をサンドバッグにし、気が済んだら授業に戻る。
いつも通りだな。
いつも通りすぎて逆効果なのよね…。
だって、
『あ"〜…、最ッ高に気持ちよすぎる…っ//』
私が根っからのMだからだ。
顔に似合わず残念だなと、私も思ってるぐらい。
『もっと殴ってくれてもいいなぁ…、全然痛くないんだよ…、物足りないじゃん…』
小学生の頃からイジメにあってるから、感覚が麻痺してもっと強くしてくれないと簡単に痛いと思わない身体になっていた。
みんな見て見ぬふりだし、私にとってもそれが好都合だった。
今日もここでサボっちゃおう…。
体育館裏が1番落ち着くんだよなぁ…。
ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ
「お〜い、お姉さ〜ん。大丈夫〜？」
…誰かが呼んでる、聞き覚えのない声。
「………ﾀﾋんでる…？」
『…ﾀﾋんではないですよ』
「うおっ、喋った」
人間だから喋るわ。
「ここで何してんの？風邪ひくよ？」
髪色ド派手だな…、ピンクとか高校生でいいのかよ。
『大丈夫です、ちゃんと休憩してたんで』
「そうなのね。お嬢さん、お名前は？」
『1年の灘 Aです』
花巻「Aちゃんね。俺は3年の花巻貴大、よろしくな」
『…よろしくお願いします』
ピンクの頭に似合う名字だなぁ…、よろしくって言っても関わることないだろうし…。
「マッキー！まだー？！」
花巻「今行くー、じゃな」
そう言って彼はボールを片手に持って体育館に戻って行った。
ボール落ちてたんだ、寝ててわからなかった。
私もそろそろ家に帰ろ。
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作者名：さBe | 作成日時：2022年1月25日 15時
