7.2 山の中で ・・・ハンヨン ページ15
「あら・・・こんなの、いつ出来たのかしら?」
しばらく歩いていると、木板で出来た柵の前に来た。
「姉さん。少し遠回りになるけど、あっちから行きましょう。」
「まったく、人間て奴は・・・(-"-)」
「仕方ないわね。」
タヌキたちは、ため息をついて進路を少しだけ変えた。
と言っても、柵にそって歩いているだけ。
どこまでも続いていそうな気もするが、すぐにほころびが見つかった。
「イノシシの兄さんかな?」
「下の部分でこの破壊力は、そうかも知れないな。どう思います?」
「そうね。熊なら上から下まで壊しそうなものだものね。」
下の部分が破壊されていて、俺たちの身体なら、楽に通れる。
「こっから行きましょうか?」
オスタヌキがそう言うと、メスタヌキは鼻をヒクヒクさせた。
「そうね。大きな動物はいなそうだし・・・あ、待って!犬の匂いがする!」
俺たちも鼻をヒクヒクさせた。
「ホントだ!じゃ、ここから早く逃げないと!」
慌てたタヌキたち。
しかし、柵の向こう側に、動くものが見えて、俺たちは一瞬止まった。
「もしかして・・・ヒョン?」
こちらに近づいてくるのは犬と・・・人間。
どこかで見たような人間だな。。。
「僕、キボンだよ!“キボわん”だよ!」
どうやら犬が話しかけてきているようだ。
キボン・・・?
何か俺の中にモヤモヤしたものが充満し始めた。
タヌキたちに助けられてからずっと、何かを忘れてる気がしてモヤモヤしてた。
ここ数日は、それも無かったのに・・・なんで?
「兄さん!早く!」
ふいにオスタヌキに声をかけられ、我に返った。
「ヒョンじゃないの?ヒチョルンヒョン?ハンヨンヒョン?あ、待って!」
俺は後ろにいるタヌキたちの方へと走り出した。
後ろから、犬が追いかけてくる音がした。
そして・・・
ドシン!
「おい!キボわん!待てってば!行くな!!おい!」
人間の・・・聞き覚えのある声。
振り返ると、人間が転んで、犬の方へ手を伸ばしていた。
犬の首から、紐のようなものがなびいている。
ヤバい!柵の壊れたところから出て来る気だ!!
俺たちは、必死に走った。
「痛い!なんだよ、これ!」
柵の方から、犬の叫びが聞こえた。
俺たちよりも身体のデカい犬だったようで、
壊れた木板で身体が傷つけられてるのかも知れなかった。
それでも、いつ、追いつかれるかわからない。
とにかく、俺たちはひたすら走り続けたのだった。
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koyuki(プロフ) - よーこさん» やっとです!(^^♪楽しみにしてくれてありがとうございます!これからも頑張ります(^^)/ (2016年6月18日 19時) (レス) id: 1916766084 (このIDを非表示/違反報告)
よーこ(プロフ) - やっと会えた~(T0T)更新いつも楽しみにしてます(*´∇`) (2016年6月18日 19時) (レス) id: 8020ec2b45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:koyuki | 作成日時:2015年12月27日 14時