やっぱ、Pleasant Animals！～SJのゆ・く・え☆～ (ページ47)

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２６.1　シスコン兄貴　・・・キボンページ47

全身が痛い。

鎮痛剤が切れかかると、痛みが少しずつ本性を現す。

オンマ「今、お医者様を呼んでくるわ！」

キボン「いい！大丈夫だから！」

オンマ「でも・・・」

何があってもポーカーフェイス！

それが出来なくて、何が俳優さ！

キボン「それより、頼んだもの、持って来てくれた？」

オンマ「ええ。」

オンマがベッドで寝ている僕に見えるように取り出したのは、子供用の小さなリュック。

超軽い素材で出来ていて、子犬でも背負えるくらいの大きさだ。

オンマ「中には、真空パックで小さくしたＴシャツとズボン、下着、それから・・・」

リュックの中を開けて、中を取り出して見せてくれた。

僕が頼んだ通りに、全てが用意されている。

キボン「ありがと、オンマ。ベッドの下に入れておいて。」

オンマ「キボン・・・。」

キボン「念のためだよ。心配しないで。」

僕はニッコリ笑って見せた。

夜中になると、僕は子犬に変身する。

いつもならキーワードを聞けば元に戻れるし、放っておいても２時間で自然に戻る。

けれど昨夜は、オンマが何度もキーワードを言ってくれたのに、

人間に戻れたのは３時間以上経ってからだった。

今夜、戻れなかったら、そっと一人で病院を抜け出そうと思った僕は、

オンマにその準備をお願いしたのだ。

オンマは複雑な表情のまま、何も言わずにベッドの下へリュックを忍ばせた。

キボン「あれから、誰か、見つかった？」

立ち上がったオンマは首を横に振った。

キボン「みんな、どこに行っちゃったのかな・・・」

最初に見つかったのは、イトクヒョンと僕だけ。

昨日、カンイヒョンが運ばれてきたって聞いた。

捜索は今も続けられている。

そういえば・・・

キボン「あのさ、事故現場に居た、パンダの子供なんだけど・・・」

オンマ「ああ。動物園に引き取られてるわ。事故の原因かもって話だけど？」

キボン「違うよ！・・・っ！」

思わず大声を出した途端、痛みで体が小さく跳ねた。

オンマが慌てて部屋を出て行った。

痛みに全身を襲われた僕は、なぜか事故直後を思い出していた。

子パンダに変身したヘンリが、血まみれのままバスの出入り口へ歩き出した場面。

僕は、変な体勢だった身体を四つん這いまで立て直し、

這いつくばって子パンダの後を追いかけて・・・。

そこまで思い出した時。

駆け付けた医師が、僕に注射を打った。

そして、痛みと一緒に、意識も薄れていった。