やっぱ、Pleasant Animals！～SJのゆ・く・え☆～ (ページ33)

今日:1 hit、昨日:15 hit、合計:26,618 hit

１６.2　モヤモヤ　・・・ハンヨンページ33

男(気が付いたんだって？)

女(お父様！)

しばらくウトウトしていると、突然しわがれた声が聞こえて、

それまで俺にピッタリとくっ付いていたタヌキは、俺から離れた。

くっ付いていたところだけ、妙に寒くなる。

目を開けると、威厳のありそうな、少し大きめなタヌキが、

俺の方へ近寄ってくるのが見えた。

男(もう、話せるかな？)

俺はなんだかボーっとしていて、首を動かしたり声を出したりする気力が無かった。

女(さっき目覚めたばかりで、薬草もまだ食べてないのよ。)

男(そうか。)

女(新しい薬草を取りに行かせたけど、まだ帰ってこないし。)

男(君には、色々聞かないといけない事がある。)

娘が一生懸命話しているというのに、そっちには見向きもせず、

警戒してるような目で、俺をジッと見つめたままだ。

俺もそいつをジッと見つめ、様子を伺う事にした。

女(私の父よ。一族のボスなの。)

俺たちの様子を見て、メスタヌキが慌てて俺に説明した。

ふ～ん。

大きな身体に威圧的な雰囲気は、まさに・・・ってとこだな。

だからと言って、無理して動く気は無いけど。。。

しばらく黙って俺を見つめていたボスタヌキは、

ゆっくりと俺の周りを回って、俺をじっくりと観察し始めた。

時々、匂いを嗅いだりしている。

ボス(これからは、私が付いていよう。お前は自分の巣へ戻りなさい。)

女(・・・はい。)

メスタヌキが、ションボリしながら、さっき２匹が走り去った方へ向かった。

時々、振り返ってこちらを見ていたが、諦めたようにトボトボと歩いて去って行った。

ちょっと可哀想な気がしたけど、だから何ってわけでも無く。

メスタヌキの姿が見えなくなると、俺は静かに目を閉じた。

ボス(本当は、話せるんじゃないのか？)

ふいに、ボスタヌキが話しかけてきた。

俺は、目を瞑ったまま、聞こえないふりをした。

ボス(娘は君を気に入ってる。しかし君を婿にするには、少し試させてもらう必要がある。
　君の生命力の強さは、我が一族にも欲しいが、それだけでは他の奴らが納得しない。)

なんだか、妙な話に発展してるような・・・？(-_-;)

ボスタヌキが動く気配がして、片目を開けてみる。

俺と向かい合わせで寝そべったボスの鋭い眼光は、俺から目を離すことは無いようだ。

めんどくせ～・・・(-_-;)

俺は、考えるのも嫌になって、そのまま眠る事にした。