やっぱ、Pleasant Animals！～SJのゆ・く・え☆～ (ページ31)

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１５.3　誤解　・・・ヒチョルンページ31

何と言ったらいいかと思いあぐねていると、シオンが突然(あ！)と声を上げた。

シオン(ヒョンがタヌキを怪我させたって言ってたけど、その現場を見たのかい？)

そうだ！俺は、この姿になってから今まで、リアルなタヌキなんて見てない。

ナイス、シオン！

リョウは(だって・・・)と言って、足元に転がっているツナの空き缶を見つめると、

かなりふてくされながら話し出した。

：
：

ゆっくりと歩く俺の足元に、シオンハムとリョウにゃんが小走りでついて来る。

俺たちは、リョウに変な話を吹き込んだメスタヌキと出会ったと言う場所へ向かっていた。

まわりに生えてる草は、俺の頭をギリギリ隠す位の背丈で、

俺たちの行く手を阻むその草を、俺は前足で少しずつ倒しながら前に進んだ。

ヒチョルン(女ってのは、人間でも動物でも、変な噂が大好きなんだな。(-"-))

シオン(ヒョン。そうじゃない人も居るよ？)

ヒチョルン(フン！大体、見ず知らずのタヌキの言う事を真に受けて、俺を疑うなんて！)

リョウ(ごめん、ヒョン・・・)

シオン(しょうがないよ。あんな話を聞いた後で、僕がヒョンの口に頭を入れてるのを見たら、
　誰だって、勘違いするし、疑いたくもなるよ。)

ヒチョルン(大体、シオンがあんな事するから！)

シオン(仕方ないじゃないですか。ヒョンが口をパクパクさせてたんですから。)

ヒチョルン(俺のせいなのか？(-"-))

シオン(そうじゃないですけど！)

リョウ(ごめんてば！僕が全部悪いんだって、言ってるじゃん！)

ヒチョルン(怒るのはお前じゃないだろ！？)

しばらく歩いていると、最後の草を倒したところで、大きな川が見えた。

リョウが言った通り。

人工的なエリアが川沿いにあって、俺たちが水を飲むのに最適な場所だった。

ヒチョルン(へえ。。。)

俺は、まっすぐに川縁へ行って、首を伸ばして川の水を舐めてみた。

お、イケる♪

俺は、思う存分水を飲むと、川の流れを見つめた。

足元では、リョウとシオンが必死に水を飲み始めていた。

結局。

リョウは変な噂だけでなく、水を飲める場所を探し出して、

俺の為にツナの空き缶に水を入れて運んできてくれたし。

シオンは、森の中で色んな情報を集めてきたらしいし。

まだ何もしていないのは、俺だけ。

俺も、兄として、何かしてやらないとな。

水面に口を付けたまま喋ってブクブクさせて遊びだした二人を、

俺は微笑みながら見守った。