やっぱ、Pleasant Animals！～SJのゆ・く・え☆～ (ページ28)

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１４.3　噂話　・・・リョウ君ページ28

メスタヌキは、固まって動けなくなってる僕を無視して、

あたりを歩き回りだした。

(ちょっと！あんた、暇なら手伝いなさいよ！)

え・・・？

(鈍い子ね～！水を入れられるものを探すのよ！ちゃんと咥えて運べるやつよ！)

あ、そっか。

ヒョンにもそうやって持って行ってあげれば良いんだ！

(う、うん！わかった！)

近くをウロウロして、何かないかと探し始めた僕とタヌキ。

だけど、入れ物になりそうなものは、全然見つからない。

(ちょっと前までは、人間の置いてったやつがあったのに。あいつら、どこやったのかしら？)

プンプンしながらも、草むらに顔を突っ込んだり、土を少し彫って見たりして、

一生懸命探しているタヌキ。

リョウ(あの～・・・一つ聞いても良い？直接飲めるのに、何で入れ物が必要なの？)

そんな風に質問してみても、答えてくれる気配は無い。

リョウ(僕はね。怪我をして動けないヒョンに、お水を飲ませてあげたいんだ。)

ピタッと動きが止まったタヌキは、ゆっくりと振り返った。

(怪我をしてるって？)

僕は、黙って頷いた。

(特別に、良い事教えてあげるわ。)

そう言ってタヌキは近づいてきて、僕に耳打ちした。

(最近、この辺りに、この世の者とは思えない位、とても大きな猫がやって来たのよ。
　私の仲間も、そいつにやられたみたいで、息も絶え絶えで倒れてるところを助けたの。)

え！？

この世の者とは思えない位、とても大きな猫・・・？？？

(あんたの兄さんも、そいつにやられたのね、きっと。)

リョウ(その大きな猫って、どこにいるの？)

まさかね・・・。

(あの背の高い草むらの中に潜んでいるらしいわ。昨日はカラスもやられたって話よ。
　たぶん、弱ってるふりをして、近寄ってきた物を、容赦なく食べる作戦ね。汚いやつ！)

(＠◇＠;)・・・それ、ヒチョルンヒョンじゃん！！

え・・・俺の事は良いからって言ってたのは、そう言う事！？

(で、その兄さんは？どこにいるの？私が見てあげる。薬草も教えてあげるわよ。)

リョウ(だ、大丈夫！！そんなに酷くないし！ちょっとワガママになってるだけだから！)

(声、うわずってるわよ？変な子。じゃ、入れ物は二つね。ほら、探すわよ！)

リョウ(う、うん！)

おそらく・・・大きな猫＝ヒチョルンヒョン。

その事がタヌキにバレませんように。。。

僕は密かにそう祈り、心臓をバクバクさせながら、入れ物を探し始めた。