やっぱ、Pleasant Animals！～SJのゆ・く・え☆～ (ページ23)

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１２.2　寂しくて　・・・ドムヘページ23

次の日の夕方。

Aのオッパが、ウサギを連れてやって来た。

すぐに僕の傍に来たオッパに、僕はいつも握りしめている布きれを見せたけど。

やっぱり、僕だって事はわかってくれないか・・・(._.)ｼｮﾎﾞﾝ

その後、Aもオッパも出てくる事は無く、夜が更けていった。

僕は、毛布にくるまって、目を閉じて。

ウトウトし始めていると、檻の外に何かの気配を感じた。

うっすらと目を開けると、男の人が檻のカギを外している。

男「今、逃がしてやるからな。」

僕は、意味が分からなくて、隅っこでうずくまった。

逃がすって、どういう事？

男「お前も連れて帰るって言ってたけど、連れてかれたら、殺されてしまう。」

そんなの、AもAのオッパも、するわけないもん！

男「お前、俺が話してる事、わかるよな？」

僕は黙って睨みつけた。

男「さっき、朝に使う替えの包帯を渡し忘れてたから、部屋に行ったら、聞こえたんだ。
　 Aのお兄さんが、連れてきたウサギとお前を、解剖するって言ってたのを。
　色々調べないといけないって。理由はわからないけど、そんな事されたら・・・」

解剖？

ギギー・・・

男の人が、檻の入口を大きく開いた。

男「こんなに賢くて礼儀正しいゴリラなんて、そうそう居ないからな。
　研究材料には、ちょうど良いのかも知れないけど・・・」

そう言って、男の人は下を向いた。

研究材料？

何の？

男「お前は、最初からここには居なかった。」

え・・・？

男「お前が死んだら、きっとAさんは悲しむ。心の傷は、身体の傷より厄介だぞ。」

僕は、男の人をジッと見つめた。

色々、疑問はあったけど、Aが悲しむのだけは避けたかった。

僕は、黙って檻から出ることにした。

男「いいか？もう、人間に近づいたらダメだぞ？」

そっか。

この人は、僕の事を心配してくれてるんだ。

たった２日間だったけど、僕の世話をしてくれたのは、この人だけだった。

良くわからないけど、このままだと、この人にも迷惑がかかるのかも知れない。

恩はちゃんと返さなくちゃ！

ドムヘ「ウォッフ・・・ウォッフ・・・(ありがとう・・・ありがとう・・・)」

僕は沢山お辞儀をして、感謝の気持ちを伝えた。

男の人は、何度も頷いて、泣きそうな顔で笑った。

僕はその人にギュッって抱きついてから、急いで森へ向かって走り出した。

バイバイ！元気でね！(^.^)/～～～