やっぱ、Pleasant Animals！～SJのゆ・く・え☆～ (ページ20)

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１１.2　向かった先・・・キョヒュページ20

コンビニから出てきた兄貴の、さっきよりも凄まじいお喋りに、

だんだん嫌気がさしてきた頃。

ふと気が付けば、周りが暗くなっていて、

少しだけ見える窓からの景色で、車が森の中を走り出したのが分かった。

と同時に、車がガタガタと揺れ出して、僕の身体は、何度も小さく飛び跳ねた。

さっき兄貴が言ってた車の説明を思い出す。

・・・嘘つき！(-"-)

ゲージは椅子に括り付けてあるから、そんなに動かないけど、

結構、痛いんですけど！！(＞_＜)

兄貴「チッ・・・(-"-)」

舌打ちした兄貴・・・まさか、騙されたのか？(-_-;)

まあ、それでも普通の車よりはマシなのかも知れない。

僕は、そう思う事にした。

：
：

古い農家みたいなところに着いた時には、綺麗な夕焼け空だった。

兄貴は、片方の手に大きめのカバンを、反対側に僕の入ってるゲージを持ち、

奥にある家の方へと歩き出した。

ここがAの実家か。

結構広い敷地みたいだし。

これだけ山奥なら、動物に変身したままの僕たちを引き取るのも頷ける。

ふと、車の音を聞きつけたのか、奥から男の人が出てきた。

兄貴「連絡いただきました！Aの兄です！」

男「ようこそ！遠いところから、大変だったでしょう？」

え・・・実家じゃない！？(@_@)

納屋の横に檻がある事に気付いた兄貴。と、僕。

中には黒い・・・小ぶりなゴリラだ。

ゴリラも僕たちの存在には気付いてるようで、ジッとこちらを見ている。

兄貴「あれがAと一緒にいたって言うゴリラですか？」

男「ええ。最初は騒いでましたけど、なぜかAさんと話してからは、
　ずっとあんな感じで、おとなしいんですよ。ご飯の果物もすごく綺麗に食べて。
　ちゃんと、お辞儀とかして、結構、可愛いんですよ(^^♪」

兄貴「近くで見ても良いですか？」

男「ああ、どうぞ。でも、一応、気を付けてくださいね。」

兄貴「はい。(^^)」

兄貴は檻の傍まで行くと、カバンと僕を地面に置いて、しゃがみ込んだ。

兄貴「やあ。元気か？」

兄貴が声をかけると、近くに移動してきたゴリラ。

そして、手に握りしめていたものを、兄貴の目の前へ突き出した。

ん？ドムヘヒョンのシャツの柄と似てるような気が・・・？

兄貴「お前のか？」

と聞いた兄貴に、ゴリラは黙って頷いた。

兄貴はニッコリすると、スッと立ち上がった。

それを見上げたゴリラが、僕には何故か、捨てられた子犬のように見えた。