やっぱ、Pleasant Animals！～SJのゆ・く・え☆～ (ページ18)

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１０.3　助けてくれた人・・・YOU ページ18

横抱きされたまま、玄関を出ると、広い庭になっていた。

古い納屋の横に、大型犬でも入れるような檻が置いてあった。

その中で、小ぶりなゴリラがこちらを見て喚いている。

あれが・・・ドムヘさん？

ゴリラ「ウォフッ！ウォフッ！」

女「あら・・・鳴き声が変わったわね。」

男「・・・」

私を見つけたゴリラが、雄叫びをやめて、何か話しているような鳴き方を始めた。

女性が、ゴリラに警戒しながら、足早に納屋の中へ入った。

男性はゆっくりと歩き、檻の前に着くころには、

納屋から出てきた女性が、ビニールシートを持ってきて、

私が納屋の壁に背中を預けて座れるように、セッティングしてくれた。

そこへ降ろされた私は、顔だけ横に向けて、ゴリラを見つめた。

私が座った途端、鳴きやんだゴリラ。

女「ホントに静かになった・・・」

驚く女性の声が聞こえた。

それでも、私は黙って、ただゴリラを見つめた。

ゴリラも、私の事をジッと見つめている。

A「これ・・・ドムヘさんのよね？」

さっき渡された布きれをゴリラに見えるように、静かに差し出した。

ゴリラは檻から指先だけを出して、それに触れようとしている。

ふいに、男性が私からその布を取って、ゴリラの指先に渡してくれた。

手にした布きれを、ゴリラはまじまじと見つめて、小さく頷いた。

A「助けてくれたんだね・・・ありがとう。」

間違いない・・・ドムヘさんだ。

今にも泣きそうな瞳が、そう言ってる。

A「大丈夫。ちゃんと、迎えに来てくれるから。」

そう言いながら、涙がこぼれてしまった。

A「少しだけ、我慢しててね。」

ドムヘゴリラは、手にしていた布きれを胸の前で握りしめた。

男「もう、良いかな？」

そう男性に促されて、私は「はい。」と返事をした。

ふいに顔を上げたドムヘゴリラ。

男「彼女は心配ない。数日もすればいつも通りさ。」

そう男性に声をかけられ、ドムヘゴリラは何度も頷いた。

女「こっちが話してる事、わかってるみたい・・・」

男「ﾌﾌｯ(^^)」

当たり前だよ。

だって、本当は人間なんだもん。

・・・って、あれ？

見上げれば、昼間の青空。。。

ええっ！なんで解けてないの！？(＠◇＠;)

既に男性に横抱きされて、家の方へ向かっている。

私は、振り向いて檻の中のゴリラを見ると、

ゴリラは、私に背を向けうずくまっていた。

あれ、本当にドムヘさんだよね！？(・・;)