やっぱ、Pleasant Animals！～SJのゆ・く・え☆～ (ページ15)

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９　守れた？・・・ドムヘページ15

車内は騒然としていた。

沢山揺れて、衝撃が何度も襲った。

「助けて！」

抱き締めたAは、そう叫んで僕のシャツをギュッと握った。

「うん！」

絶対、僕が守る！！！

：
：
：

閉じていた瞼を、そっと開く。

ここは？

あたりの様子を伺いながら、上半身を起こした。

森？

高い木の合間にある低い草木に埋もれていた。

Σ(･o･;) ﾊｯ! Aは！？

慌てて立ち上がって、周りを見渡すと、すぐ傍にAが横たわっていた。

顔に無数のかすり傷。

服もあちこち破れてて、

その隙間から見えるのは、傷や痣・・・。

ドムヘ(A！)

そう叫んだつもりで、聞こえた声は野生のもの。

あ・・・変身したんだ。

自分の身体を見下ろすと、ものすごく発達した胸筋、

そして全身が黒い毛で覆われていた。

長い腕の先の手はごつごつしていて、

その手で顔や頭も触って確かめた。

これは・・・ゴリラかも。

いつもなら、ハムスターとか、リスとか、小動物に変身するけど、

“守りたい”って強く思ったから？

今回はガッチリした身体の大型に変身出来たみたい。

守れた・・・のかな？

改めてAの方を見る。

目を閉じたまま、ピクリとも動かない。

ま・・・まさか！！！(＠_＠;)

近づいて、Aの顔の前に手をかざす。

息して・・・る？

ごつごつした手じゃ、よくわからない。

Aの胸に耳をつけてみた。

ドク・・・ドク・・・ドク・・・

良かった！生きてる！

とりあえず、Aの命は守れた事に、ホッとした。

だけど、Aは全身傷だらけ。

自分は、少し体中が痛むけど、血は出ていないみたいだし、普通に歩ける。

・・・僕が傷だらけになれば良かったのに。

・・・守りきれなくて、ごめん・・・

肩まで伸びてる髪が、顔に無造作にかかってしまってる。

ずっとショートだったけど、髪を伸ばすんだって頑張ってたっけ。

僕は、Aを起こさないように、そっと顔にかかっている髪の毛を避けてあげると、

隠れていた痛々しい傷とアザの全貌が見えて、僕は泣きたくなった。

女の子なのに、顔に傷がついちゃった。

僕が責任取るからね！

なんて・・・こんな姿じゃ言えないね。(._.)ｼｮﾎﾞﾝ

ｶﾞｻﾂ・・・ﾊﾞｷｯ

ふいに後ろから、草に振れた音と、小枝を踏んだ音がして、

振り返った途端！

バコッ！！

頭に強い衝撃を受けた。

・・・誰？

黒い人影が見えたのを最後に、僕の意識は遠のいた。