１ 探偵さんになる の巻２ ページ3
「俺が開けた時は、1つだけしか入ってなかったし・・・え？」
ヒチョルンさんが、少し動揺してます。
「俺のが最後だと思ったから、その手紙、ゴミ箱に捨てたぞ？あれ、まだ残ってた？」
ヒチョルンさんが首をかしげて思い出そうとしています。
「いや、残ってないと思う。ほら、お前が食べてる時、俺が冷蔵庫開けただろ？
水飲もうと思って。場所が移動してたから、わかんなくてさ、
全部の棚とか扉のポケットも探して。その時、プリンなんて見なかったし。」
「だよな？な？」
イトクさんの証言で、ヒチョルンさんはホッと一安心。
「また作ってくれますよ。ヨンジさんの趣味だし。」
Aさんがそう言って、リョウ君に笑いかけます。
「ヨンジさんのプリン・・・(T_T)」
そう呟いて俯くリョウ君。
そんなリョウ君を、時間は待ってくれません。
「スタンバイお願いしま〜す！」
ＡＤさんが本番準備の時間を告げに来ました。
「次はきっと大丈夫だよ。」
「ドンマイ！」
ＳＪ達はリョウ君に声をかけたり、黙って肩を優しく叩いたりして、
控室を出て行きました。
「僕の・・・プリン・・・」
リョウ君は、最後にそう呟くと、足取りも重く、スタジオに向かったのでした。
：
：
「また来週の水曜に作ってくれるそうですよ♪」
スタジオから戻ると、AさんがＳＪ達に報告しました。
「え、頼んでくれたの？」
リョウ君の顔が、ぱあっと輝きました。
「はい。お礼の電話を入れたら、約束してくれました♪」
「ありがとう、A〜！！！(＞_＜)」
リョウ君がAさんに抱きついて喜びました。
：
：
：
そして、リョウ君待望の水曜日がやってきました。
朝からウキウキなリョウ君。
上機嫌なリョウ君を見て、ＳＪ達も気分良くお仕事へ。
今日は、みんな個人活動の日。
リョウ君はAさんと一緒に、番組の打ち合わせに出かけました。
「ヨンジさん、ちゃんと約束守ってくれるよね？」
ちょっと心配なリョウ君は、Aさんに問いかけました。
「もちろんですよ！前回は数を間違えたかも知れないから、
今度は番号を書いた付箋をつけておきますって言ってましたよ。」
「でも、数えたのがドムヘヒョンだけなら怪しいけど・・・」
「過去に捕らわれるのは良くないですよ？」
「そうだよね。今夜は食べられるんだもんね♪」
夜、冷蔵庫を開けた時の事を想像したリョウ君は、
満足そうにニッコリしました。
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作者名：koyuki | 作成日時：2018年7月18日 9時
