トリップ？そんなの聞いてない！の、番外編 (ページ11)

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もしもの世界9 ページ11

「で、お前らはヤってたのか？」

『そうね。……何回ヤったかしら？』

「覚えてないな。少なくとも数回ではないと思うぞ」

「……誰も起きなかったのか？」

『私が起きて来れない状況を作ったから。だって、聞かれたくないじゃない』

「じゃあ、今度からは陸か」

『そうして欲しいわ。今回はもう船が出港していたから仕方ないけど。……で、ロジャーさん。どこへ行こうとしてるのかしら』

レイリーと話していると、ロジャーさんはこっそり部屋を出ようとしていた。
から、私が問いかけるとロジャーさんはビクゥッとしてこちらを振り向く。

逃さねぇぞ待てやコラァ。
あ、素が出ちゃった。今のは聞かなかったことにして頂戴♡

「い、いやぁ、レイリーもAも二人きりがいいかと思ってな？」

「お前がそんな配慮をするとは珍しいな」

「だってお前目が本気(マジ)じゃねーか。ゼッテー本命だろ」

『へぇ〜……そうなんだ。まあ、とりあえず今はそんなことはどうでもいいから、私の部屋が欲しいわ。だって、このままだとレイリーと一緒に寝ないといけないじゃない』

「嫌なのか」

『嫌ではないけど、レイリーが私がいたら邪魔だって思わないかなって』

迷惑をかけすぎるわけにもいかない。それは日本人としての思い。
でも、他にも理由はある。それは、同じ部屋にいるといつでも口説かれてしまうということ。
レイリーは女好きみたいだから、同じ部屋にいたらすぐに私が落ちてしまう。それは公平にしたい。

『負けるわけには、いかないのよ』

私の呟きは、誰にも聞こえることなく消えていった。