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story 29 ページ30

『太宰さん!!』

武装探偵社の戸を勢いよく開けた。


目を見開いた面々の視線が私に集まる。


「Aちゃん…?」

『……ごめんなさい。皆さん、ありがとう!太宰さん、特に…貴方にはお礼を云わなきゃいけないことが沢山です。』

何か、お返しが出来ればいいのですがね。と微笑むと、じゃあ、と太宰さんは同じように…否、私よりも柔らかな笑みで微笑み返して云った。


「じゃあ、探偵社員になってくれないかい?もう一度、光へ来ようじゃないか。」


私に差し伸べる手、それは、真っ暗闇の中に一筋の光が指した様だった。


『……ありがとうございます、でもこの手は握れません。また、私は人を傷つけてしまうから。』

「……だから、人殺しをして、その恐怖感を飼い慣らそうとしているのかい?」

『……私は、探偵社員にもポートマフィアにも成りません。

でも、どちらにも役に立つような仕事がしたいんです。』


私の頭には、その職業しか思い浮かばなかった。


“情報屋”


それは、(せいぎ)でもなく、(あく)でもない、狭間にいる世界。


『私は、もう一度やり直したいんです。』


私は、頭が地面に着くのではないかと思われるほどの、深いお辞儀をした。



『だいすきです、私を、雇ってくれてありがとうございました。』

「……俺たちも、何かあったらお前を頼っていいのか。嵩」

『はい』

自信を持って、頷けた。


.

陽気な口笛が聞こえた。


高級車に寄りかかり、その(キー)を手でくるくると回す。


「……貴方ですか。僕はもう徹夜三日目なんです、なんの御用ですか。
……嵩くん。」


『あははっ、覚えてるんだ。』

口元に鍵をあてる。

『ちょっと政府のお偉いさんには協力してもらうよ?


私の経歴を洗い流してよ、安吾♡』




「……僕は一応、貴方より年上ですよ。A」

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ありす(プロフ) - 蜥蜴さん» ありがとうございます!直哉さんと花圃ちゃんは個人的にもとても気に入っているキャラなので、好きと言っていただけて嬉しいです!!これからも頑張りますので、どうぞよろしくお願い致します(><) (2017年8月10日 7時) (レス) id: 85385fe888 (このIDを非表示/違反報告)
蜥蜴 - 完結おめでとうございます!物凄い良い話ですね!すごく感動しました(´;Д;`)個人的に直哉さんと花圃ちゃんのキャラがが大好きです!これからも頑張ってください!! (2017年8月10日 5時) (レス) id: 6c6bafb637 (このIDを非表示/違反報告)
ありす(プロフ) - 蚊さん» ありがとうございます!いい話なんて…照れます、感動していただいて幸いです^ ^ (2017年7月31日 20時) (レス) id: 85385fe888 (このIDを非表示/違反報告)
- いい話ですね!!!感動しました!!完結おめでとうございます! (2017年7月31日 18時) (レス) id: 246313809f (このIDを非表示/違反報告)
杞乃葉(プロフ) - 完結おめでとうございます! (2017年7月27日 18時) (携帯から) (レス) id: 7b1e765a3f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:矢澤ありす x他1人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2017年4月21日 21時

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