あなたのココロ、盗みます。【赤羽業】 (ページ10)

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「……さて、君らになるべく普段着のまま来させたのも理由がある」

『入口の厳しいチェックさえ抜けちゃえば、後は客のフリができる。』

「その通り」

「客ぅ？悪い奴らが泊まるようなホテルなんでしょ、中学生の団体なんているんすか？」

『聞いた限り結構いる、芸能人とか金持ち連中のボンボン達ネ』

「王様のように甘やかされて育った彼等は…あどけない顔のうちから悪い遊びに手を染める」

ということであたし達もなめた感じで歩いてみた

うん、ボツ

「ただし…我々も敵の顔を知りません、敵もまた客のフリをして襲ってくるかも知れない

充分に警戒して進みましょう」

「「『……はい！』」」

通る客1人1人を見つめていく

『眠っ』

ボケっとしてると、寺坂・吉田が前に出る

「寺坂くん！そいつ危ない！」

あたしが叫ぶ前に不破ちゃんが叫んだ

烏間先生がふたりをかばう

「…何故わかった？
殺気を見せずすれ違いざま殺る、おれの十八番だったんだがな、オカッパちゃん」

ボブだし、と呟く不破ちゃんはビシッとした口調で言った

「だっておじさん、ホテルで最初にサービスドリンク配った人でしょ？」

「……あ！」

皆がひらめいたように言った

「断定するには証拠が弱いぜ、ドリンクじゃなくても…ウイルスを盛る機会はたくさんあるだろ」

「皆が感染したのは飲食物に入ったウイルスから

……そう、竹林くん言ってた

クラス全員が同じものを口にしたのは…あのドリンクと船上でのディナーの時だけ
けど、ディナーを食べずに映像編集をしてた三村くん、岡島くんも感染したことから感染源は昼間のドリンクに絞られる

従って、犯人はあなたよおじさんくん！」

『お見事。』

口笛を吹いて不破ちゃんに拍手

……そして気づけば

"烏間先生"と敵が倒れていた。