あなたのココロ、盗みます。【赤羽業】 (ページ22)

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あたし達は騒がしさの欠片も無い静かな街を歩いていた。

「誰も住んでない…？」

『多分そう、この辺はお墓やお寺ばっかりだからネ』

鞄を肩にかけて店に入る、お供え物の和菓子を適当に選ぼうとした。

「これは？」

『あ～じゃあそれで』

カルマが取った適当な和菓子をレジに置く、お婆さんがお会計をしてくれ、あたしは頭を軽く下げながら外へ出た。

「墓場いっぱいあるね～」

『この辺は殆どヨ。こっちこっち』

お姉ちゃんの居る墓場に足を踏み入れる。

ドックン

胸が張り裂けそうな位、苦しくなった。頭を抱えてしゃがみこむ。

「A？」

『や、めて…。怖い…こ、わ…』

〈お前らが生きてるのがわるいんだ…〉

〈俺は彼女に殺されたんだ…〉

〈私なんか親友に突き落とされたのよ〉

『や、め…知らない、あたしはっ』

思わず耳を塞いで目をぎゅっと閉じた。

「A！！」

『！カルマ…』

「どうしたの急に、耳塞いで」

『カルマ危ないよ此処！』

「何？A霊感でもあるの～？」

笑いながらカルマはくるりと後ろを向き、あたしの手を引く。

「大丈夫、守るから」

『っ…う、ん』

すると1人、立ち竦む男を見つけた。

お姉ちゃんの墓をじっと見つめている。

『あ、あの…』

話しかけようとすると、男は持っていたバットを勢いよく振り上げ、お墓に落とそうとした。

『お、お姉ちゃ』

あたしが駆け寄る前にカルマがそいつの腹を殴る、ぐぁっと声を零しそいつはこちらを睨みつけた。

よく見ると若いイケメンだった
「人の墓に何してんの」

「こいつは…こんな幸せなところに墓を立ててもらう資格はないんだ！」

『誰よアンタ。あたしのお姉ちゃんのお墓に手を出さないで！！』

「フハハｯ…お前、あの女の妹か！！そうか！」

ケラケラと笑うその男は帽子を深く被ると、にやりと笑った

「羽元未和…怪盗feather。
今度来た時にはその墓はグチャグチャだね」

『なんなのよアンタ…！まちなさいよ！』

「グハッ！！分かった！！話す！！話すから蹴らないで！！！」

その男はお願い！と手を合わせた。

あたしは仕方なく了承する。

「あれは未和が死ぬ前のことだ＿＿＿＿＿＿」