あなたのココロ、盗みます。【赤羽業】 (ページ21)

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あたしたちの暗殺夏休みは幕を閉じた。

それから暫く、家でのんびりと過ごしていた。

ピコンッ

携帯が震えながら音を立てる、私は携帯を手に取って開いた。

業明日、10時椚ヶ丘駅集合ね。

いきなりの事に驚きつつ、うんと返した。

これはデートと言うやつなのか、それともお出かけとか呼ばれるものに含まれるのか。

『お、お姉ちゃん…どうしよう』

.

取り敢えず白い襟付きシャツにジーンズ生地のカーディガン(？)、黒いスカートに長い靴下にスニーカーとあたしにしては頑張った方だ。
ペンダントはしっかり付けてある

クロは家に置いてきた

「お、来た」

『か、カルマ…なんか久しぶり？』

「うん、だね」

カルマの格好はいかにも"女子にモテそう"な服装だ。

「じゃ、行こっか。道教えて」

『行くって…何処に？』

「Aのお姉さん…未和さんだっけ、その人のお墓参り。」

『あ、うん！わ、分かった…！』

あたしはカルマの手を引き、駅に入った。

入ってから駅の名前を探す、ふと見つけてカルマに指さす。

こっちか、と呟き車両に入り、来たばかりの電車に乗り込む。

『カルマ…いきなりどうしたの？お墓参りなんて』

「ちょっと、ね。Aのお姉さんで怪盗featherとか面白いじゃん？
それに…今度Aを貰う時に始めてくるより良いでしょ」

『は、はぁ！？』

冗談、と笑うカルマに顔が熱くなる。頭がクラクラして恥ずかしさで死んでしまいそうだ

『つ、ついた…よ！』

「うん、行こ？」

差し出された手を見てまた顔が熱くなる

『だ、誰が繋ぐか馬鹿！！！』

カルマの手を勢いよく殴りながら、馬鹿馬鹿とカルマを罵る。

いって～とカルマは手をぷらぷらさせている、私は駅に出てキョロキョロとあたりを見回した。

『初めて来た』

「え」

『お葬式以来来てないの。怖くて来れなかった』

「……じゃ、早く行こっか！」

『じゃあ降ろしてよ馬鹿！阿呆！』

ジタバタと手足を動かしながらも"バカ"やら"アホ"やら稚拙な言葉を並べてカルマを罵倒する。いや、馬鹿はどっちだ。今どき華の15歳が他人を罵る時にバカアホと叫び倒すか兎に角だまれ馬鹿野郎

つくづくあたしには華成分が少々足りないのだろう……

カルマは暴れるあたしを渋々下ろす。

「で、どっち？」

『こっち…付いてきて』