あなたのココロ、盗みます。【赤羽業】 (ページ16)

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バッ、とついた目眩しの照明

逆光でステージが見づらい

ガストロは銃を口から離すと、凛香の真隣を抜けて撃った。

どうらやあいつは軍人あがりらしい

あたしは怪盗ですが何か！！

「速水さんはそのまま待機！今撃たなかったのは賢明です千葉君！！君はまだ敵に位置を知られていない！先生が敵を見ながら指揮するので…」

キョロキョロと先生を探す殺し屋は、見つけるとおどろきながら撃ち始めた

『センセイ、あたしが指揮するよ。』

「……任せましたよ、羽元さん」

あたしは予め渡しておいた連絡マイクをヘッドフォンに付ける。ヘッドフォンを耳につけ、指揮を始めた

『木村5列左へダッシュ！』
ヒュッ、と素早く移動する木村

『寺坂と吉田はそれぞれ左右に3列』

「なっ…」

『死角ができた！茅野ちゃん2列前進

カルマと不破ちゃん同時に右8、イケメン委員長左に5！』

ふぅ、と息を吐く。あたしは位置を知られても大丈夫だ…武器をちゃんと持っている。

「お前ｯ…！」

撃った"弾"を狙い撃ちする。見事命中

『出席番号12番、右1で準備しつつそのまま待機、4番6番はいすの間からターゲットを撮影。

律を通して舞台上の様子を千葉クンに伝達』

相手は構えすぎて混乱してきている、その姿をみて思わずにやけた。

『最近竹林イチオシのメイド喫茶に興味本位で行ったらちょっとハマりそうで怖かった人！
撹乱のため大きな音を立てて！』

「うるせー！なんで行ったの知ってんだテメー！」

『あたしを誰だと思ってるんだ』

千葉クンと凛香は先生達に任せ、あたしはいすにもたれかかる。

「出席番号12番！！立って狙撃！！」

スパァン、とガストロは撃つ。だがそれは人形で…

「分析の結果、狙うならあの(・・)1点です」

「オーケー律」

ドギュゥン、と音を立てて千葉くんは"吊り照明の金具を撃つ"

そして持っていた銃を凛香が撃つ。

戦いが終わった凛香と千葉クンの間に入り肩を組む。

『お疲れ様～！』

「Aも、お疲れ様」

「羽元……ありがとう。」

ぽんぽん、と千葉クンに頭を撫でられる。

『っへへ、いえーい！』

凛香と千葉クンとハイタッチをする。

なんてことだろう、あんな戦いをした後なのに

表情(カオ)はむしろ戦う前より中学生だ。

あたしは、ふたりで話す凛香と千葉クンを見つめ、フッと目を細め、儚げに笑った。

「A…？」