あなたのココロ、盗みます。【赤羽業】 (ページ11)

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「戦闘ができる状態まで…30分で戻るかどうか」

『30分で戻るの！？
……怖っ』

あたしは思わず呟いた
ここは3階、標的のいる10階はまだまだ先だ

思ったより手強いな

「いやぁ、いよいよ"夏休み"って感じですねぇ」

殺せんせーの言葉に、皆が一瞬硬直した

「何をお気楽な！！」

「1人だけ絶対安全な形態のくせに！」

「渚、振り回して酔わせろ！！」

「にゅやーッ！！」

ヒュンヒュンと皆のご希望通りに回して酔わせる渚くん

「よし寺坂、これねじ込むからパンツ下ろしてケツ開いて」

「死ぬわ！！」

くすくすとカルマの隣で笑うあたし。

「大丈夫、普段の体育で学んだことをしっかりやれば…そうそう恐れる敵はいない

君達ならクリアできます、この暗殺夏休みを」

殺せんせーのニヤニヤ顔、やけに腹が立つのでまた振り回してやりたいものだ

『……いい先生、だネ』

「まぁね～…。
でも、安心しなよ。Aの先生でもあるんだよ？」

『さぁ、どうかな？』

「……どういうこと？」

『……あたしは怪盗feather、今からでもここから抜け出せるし君たちを騙し抜くことだって可能。

あんま……油断しない方がいいよ』

「大丈夫だよ、Aは裏切らない」

顔を妙に近づけて、にやりと笑ったカルマ

『ちょ…？』

「はは、かーわい」

あたしは頬を赤く染めた

『ったく……』

暫く進んでいくと、殺気を放つ人間が1人

ビシッ、と窓ガラスにひびを入れる

「……つまらぬ

足音を聞く限り…"手強い"と思えるものが一人もおらぬ、精鋭部隊出身の引率の教師もいるはずなのぬ…だ」

ゴゴゴ、と放たれる威圧に誰も何も言えないけども

「ぬ、多くね、おじさん？」

((言った！よかったカルマがいて！！))

雑魚ばかり、一人でやるのも面倒だ

といったおじさんぬ(カルマ命名)は携帯を取り出して仲間を呼ぼうとした

……携帯持ってるんだ、ガラケー((

カルマがそのへんにあった植物のようなものを持って携帯を窓に当て割った

「ねぇおじさんぬ、意外とプロってフツーなんだね。ガラスとか頭蓋骨なら俺でも割るよ

ていうか、速攻で仲間呼んじゃうあたり、中坊とタイマン張るのも怖い人？」

怪力ェ…

「よせ無謀…『大丈夫大丈夫』……？」

『"今の"カルマなら、きっと大丈夫だよ。

ぶち当たって越えていける、高い大人の壁に！』