臆病子猫。【夜久衛輔】 (ページ12)

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臆病11 ページ12

『やっくんやっくん』

「あ?」

『見てー中学の卒アル～』

「お、懐かしいな」

私の家に男バレが集まってます。

お姉ちゃんが彼氏とデート行ってしまい、家はシーン。

「へぇ～、中学からやっくんは小さいなぁ」

「うるせぇ黒尾!!」

『てかクロ、やっくんの中学時代知ってるでしょ?戦ったことあるらしいじゃん』

「まぁな。…お、Aはあんま変わってねぇな」

白い猫っ毛、全く変わっていない。

「昔からお前変わんねぇよな」

ぐしゃぐしゃと頭を撫でるやっくん。

「クロは…昔から、髪凄かったよね」

『昔からこーなの!?』

「うん…」

研磨がピコピコとゲームをする

研磨のほっぺたをつんつんしてみた

「ん…」

ぺち、と軽く叩かれる

『あははー、ごめんごめん』

「うおおお、女子の家…!女子の部屋……!」

「山本うるせぇお前不審者かよ!」

「女子の部屋ってお前妹いるだろ!!」

みんなの会話にくすりと笑う

「しかし、夜久の家から近いのな」

「まぁな」

『ねぇねぇ、パニーニくろお～』

「誰がパニーニだ。」

『クロがパニーニなの。』

それで…と話を切り出す

『IH近いのに練習、いいの?』

「今日体育館開けてくんねぇんだよ」

『へぇ…なんかあんのかね～』

「あ、マネの特権使って開ければ?」

『マネの特権って…』

私は苦笑

でも、IH近いってことは…

(後釜探さなくちゃ)

「何思いつめた顔してんだよー」

ぶにい、とやっくんが私の頬を引っ張る

『いひゃい!』

「何考えてんの」

『え、あ…いや、後釜見つけなくちゃな、と』

ほっぺたをむにむにされる

少し痛みが和らいだ

「そーいやそうだな、マネ大変だし2人いた方がいいしな」

『そうそう。取り敢えず、後釜見つけないとね』

ネット張り、ボール出し、洗濯、タオル配り、ドリンク作り…

簡単そうに見えるマネって、凄い大変なんだよ

『せめて…２年でもいいから、後釜いないもんかねー』

「それは自分で探せよ」

『無理ー』

「出たよ人見知り」