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優しくそう言って笑った彼女はその後すぐに照れ臭そうに頰をかいていた

『じゃあグルッペンさんにお伴します。一緒にお茶して下さるんでしょ?』

「ああ。しかしA、お前は仮にも幹部だろう。上司には伝えておかなくて良いのか?」

『ああ、私はグルッペンさんとお茶をすると言って出てきましたから。元からそのつもりです。』

次は此方が驚き目を見開いた

「なるほど、俺がこうする事を想定済みで仕掛けてきたんだな?」

『トントンさんの事は予想外ですよ。そこまでお優しいと思ってませんでしたから。』

「おい。」

Aは持っていた資料を抱え直し、歩き出した

『今日はこの日の為に、絶品の茶葉と菓子を用意したんです。またオスマンさんに自慢しても良いですからね』

ふふん、と得意げに此方を振り返り親指を立てていた

「随分と自信があるんだな」

『当たり前ですよ。もうそろそろ自分のプロデュースしたお店でも出そうかと思ってるくらいですから』

「そうか。もしそうなら試食ぐらいは味見して評価でもしてやる」

『素直に食べたいと仰ったらいいのに。』

いつの間にかお互い肩を並べて歩いていた

その為、横を見ると間近に彼女の顔が有った

Aは女性にしては背の高い部類に入る

整った顔は少しだけ緩み、綺麗な形をした唇は嬉しそうに夢を語っている

『第2号店は我々国に出そうかな。売り上げ伸びそうですね。特にグルッペンさんとオスマンさんのお陰で。』

ははっ、何が可笑しいのか先程から珍しい表情を見せてくる

「お前がそこまで笑う所はあまり見ないな。」

『そうですかね?私、結構笑う方なのに。』

その後、心の中で自問自答でもしたのか。解決したようにああ、と声を漏らした

「?」

『多分、グルッペンさんの前だから緊張してたんですね。』

「緊張?」

『でも今は、嬉しいが勝ってるので。笑えたんですね』

意味がわからないと表情から汲み取ったのか、Aは足を止めて此方を向いた

その顔はほんのり赤らんでいた

ドクドク、胸の鼓動が速くなる。可笑しい、何時もなら平然とやり過ごせるのに今日の自分もいつにも増して正直者だ

『グルッペンさん.....』

上擦った声でAが俺の名を呼ぶ。彼女も緊張しているのだろうか

見つめ返したその瞳は潤んでいた

「なんだ」

ふふ、
『いいえ何も。今は秘密です』

と綺麗に笑いながら言うAに

「いや、ダメだ」

ピシャリとそう言って



彼女の唇をそっと奪った

我慢です【os】→←いつだって君が一枚上手【gr】



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鬼雷 - 潮風悠さん» 受けて頂けるのですか!ありがとうございます!楽しみに待ってますね! (2020年7月12日 0時) (レス) id: 15f01a3427 (このIDを非表示/違反報告)
潮風悠(プロフ) - 鬼雷さん» なるほどなるほど、承知いたしました!リクエストありがとうございますー! (2020年7月12日 0時) (レス) id: c6e60d7221 (このIDを非表示/違反報告)
鬼雷 - 夢主ちゃんがナンパかちかんされてknさんに助けてもらって夢主ちゃんがknさんのこと気になる……みたいなのっていけますか?纏まらない文てすみません!無理でしたら全然大丈夫です! (2020年7月11日 23時) (レス) id: 15f01a3427 (このIDを非表示/違反報告)
鬼雷 - 潮風悠さん» めちゃめちゃわかります!リクエスト大丈夫なんですね!ではリクエストさせて頂きます!上に書きます! (2020年7月11日 23時) (レス) id: 15f01a3427 (このIDを非表示/違反報告)
潮風悠(プロフ) - 鬼雷さん» リクエストはいつでも受け付けていますよ。お気軽にリクエストしちゃってください! (2020年7月11日 14時) (レス) id: c6e60d7221 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年11月14日 23時

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