【d!】琥珀のメシア【現在更新停止中】 (ページ22)

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２０話ページ22

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チーノがお手洗いで席を外した時だった。

syo「Aさん、これなんすけど。」

そう言って、ショッピは自分の鞄からある一通の手紙を取り出した。

『？なにそれ』

syo「この前Aさんが俺の家に遊びに来た時に忘れていったものだと思うんですけど。Aさんので合ってますか？」

ショッピから差し出されたその手紙は、

見覚えのない、古びたものだった

差出人はインクが掠れて読めない

宛先には

「Aさんへ」

と書かれていた。

その手紙を受け取った時、

またこの前のように、ある記憶がAの頭を過ぎる

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syo「Aさん」

『ショッピくん、やっほ』

気分転換に、執務室を出て中庭のベンチで紅茶を飲みながら書類に目を通していたAにショッピが声をかけた。

syo「ここで仕事っすか。
あまり煮詰めすぎないように気をつけてくださいよ」

『それはトントンに言って。私はこれでもマシな方だよ。」

syo「気を付けるに越したことはないでしょ」

いつも本人が気付いていないだけで、Aはトントンに匹敵するほどに無理をしている。そんな彼女を心配しているのか、彼女のあまりショッピの気持ちを理解していないその返答に、困ったように笑った。

ショッピとの会話で、完全に仕事の手が止まったAを見て、ショッピはある決意をする。

syo「Aさん、頼み事....というか、渡したいものがあるんすよ」

『渡したいもの？』

そう言って、Aはベンチから腰を上げた。

少しだけ空いている二人の距離を詰めながら

『いきなりどうしたの？』

と問いかけた。

syo「俺、もうすぐ単独の長期任務が入ってるんですよ。もしかしたら、無事に帰ってこれるかも怪しくて。」

『.......私もついて行こうか？』

syo「あ、いや、Aさんは巻き込めないっす。俺一人で頑張りますよ。」

彼なりに、自分の仕事を行うにあたっての覚悟をしっかりしている。そして、仕事に対してのプライドが高く、人一倍頑張り、一切手を抜かないことも知っているが、しかしそんな顔を見てしまってはそう言葉が口をついて出てしまうのも仕方がなかった