Dal _193 ページ43
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特に何かをすることなく、唯々マンガ本を読みながら膝に乗った和さんを撫でる手に、何となくだけど指を絡めてみれば、和さんの体温と一緒に、Aの温もりを感じる。
あの時、夏也さんに連絡が来た時は心臓が止まる勢いだったのを思い出すと、少しだけ振り変えす様に怖くなる。
今は、ここにいて。隣にいる事が嬉しくてくっつけば、私も和さんの様に撫でられる。普段はAの方が猫なのに、今日はいつもの逆で、きっと彼は私を猫の様に思ってそう。
だけど、それもそれでいいかもなんて思う
「…ぶぅー」
ジス「ん、やめてよー笑」
「変な顔してる笑」
ジス「誰がやってるのよ笑」
「俺笑」
普段、カメラの前じゃピクリともしない様な表情筋も、眠た気な目も可愛いとは思うけど、今のこの時ばかりは一段と可愛く思えるし、かと言って角張った少し大きな手に男性らしさを感じてかっこよくも思う。
髪の毛もあの時より伸びて、目に少しだけかかってるのを分ければ、いつも見る様な優しい瞳と合って、思わずキスをしてしまった。吃驚した表情をしてたけど、首に手を添えて優しくソフトにキスを仕返しして来た。
私よりも1つ年下なのに、少しだけ余裕感があるのが生意気だ
ジス「何処で覚えたの?」
「何が?笑」
ジス「ヌナはそんな子に育てた覚えはないよ!破廉恥め!」
「どう言うことー?笑」
ジス「私以外に教わったの?」
「んー、誰だろう笑」
ジス「浮気か」
「…ふふ笑和さんは浮気に入る?」
ジス「…んふ笑和さんも女の子だから入る笑」
「えー笑」
Aと出会ってからずっと、お風呂も入れてもらって、毛並みも綺麗に整えられて、可愛い可愛いと愛でられ寵愛を受けた和さんには悪いけど、でもそんな和さんを私も好き。
だけど私といる時だけはお膝の上は譲って欲しいし、撫でられるのも私だけがいい。寵愛も欲しいけど私だって愛した分だけAに愛されたいと思う。ハグもキスも沢山したいから、猫様にも我慢が必要かと思うのですよ、私には。
ジス「あ、」
「?」
ジス「お誕生日おめでとうございました」
「ふはっ笑ありがとうございました笑」
ジス「て言う事で今からAの時間を私が買う」
「あ、そっちが買う側なの?」
ジス「うん。そう」
「ふふ笑分かった」
ジス「Aヤ」
「何ですかー?」
ジス「その本を置きなさい」
「はい」
ジス「手を広げて」
「はい笑」
ジス「私をハグしなさい」
「ハグー」
ジス「言葉じゃなくて行動するの!笑」
「はーい笑」
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作者名:RIKU | 作成日時:2022年8月16日 15時