Dal _184 ページ34
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ヒョンが悲しい顔をしてるからとかじゃないけど、大きな津波や大きな地震によって崩れても、そこに何があったのかって言うのは確かにある。
日本の美味しいご飯屋さんや、家族が暮らす家だったり。子どもがきっと楽しそうに遊んでいた公園とか、苦手な勉強を学ぶ学校だったり。幼稚園もあって、田んぼとか畑もあったんだろうなって、ここには。
津波の跡、地震の跡。その跡傷は残っているから、ヒョンと来れて良かったし、ヒョンがいてくれてよかった。
冷たい空気が漂うスケートリンクで、羽生さん達と黙祷をする。目を瞑って、ここに起こった事を何となく想像すると、何だか涙が出てきた。怖かっただろうし、辛かっただろうし、苦しかっただろうし、焦ったりもして。ここに眠る人達が皆、そこに住まう時には、安らかとなっていて欲しい。
だけどね、
でもね、
あなた達に会いたかった人は多くいる。帰ってきてと願う人達もいれば、安らかにと願う人達もいる。君達がいなくなっても、季節は、年は、次々と過ぎていくけど、その度に君たちを思う日は忘れない。
この傷跡が、もっと早く無くなっても、例え雪に埋もれても
会いたいと願っても
何度も何度も夜をあかそあとも
もう少ししたら春が来る
寒い寒い君がいなくなったその冬を、僕らが、君達を思う人達と一緒に、暖かい春にする。迎えられなかった春を、迎えに行くよ、君たちの代わりに。
【この曲をこの地で歌えた事を光栄に思います】
JK【ここに来させていただいて、ありがとうございます】
ここで歌えてよかった
ユンギヒョンやナムヒョン達が作ったこの曲は、いつ聞いても、歌っても、凄く凄く感情移入をしてしまうと来るものがある。
歌い終わった時、ヒョンの手を握っててよかったし、ヒョンが隣にいてくれてよかった。被災地と言う言葉は、仕方がないんだろうけど、少しだけ苦手と言っていたヒョンに、少しだけ意味が分かった気がする。
ヒョンと繋いでる手や、滑り終わった羽生さんを抱きしめた体に、ついつい力が籠ってしまったけど、それ以上に、羽生さんのその華奢な体の方が力強かったのを、僕は絶対に忘れない。
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賛否があるかもしれません。ですが、作者自身この曲で滑る羽生選手を想像してしまい書いてしまいました。これを読んでくださっている方々深くお詫び申し上げます。
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作者名:RIKU | 作成日時:2022年8月16日 15時