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Dal _165 ページ15









drug singerと言われているだけあって、Aの歌声はボーカルメンバーとはまた違った心酔度がある。

テヒョンの様な低音さと、ハスキーさがないければ、

ジミナの様な高音さと、独特な歌声の使い回しはないし、

ジョングガの様に中立的な音と、細く鋭さのある芯もないし、

ジニヒョンの様に高音気質な音と、何処迄も地声な訳では無い。


それでも、Aは、何処か子供の様な歌声に似ている。決して子供っぽい訳ではないその歌声が、何処か頭に残ってしまって、思わず心酔してしまう。

薬の過剰摂取をした様に、依存性の高いその歌声が、時にラップパートを担当した時には強固となる。

練習生の頃に、ユンギヒョンのラップを真似しまくった所為か、Aのラップはユンギヒョンに似ている。早い口調と其の言い回しは、依存度の高い声に乗せて響けば、それはそれは怖いものだと思う。




「--どうだった?」

HS「俺さ、練習生の頃からずっと思ってたけど」

「?」

HS「Aの歌声は極力聞きたくない」


「ひど」

HS「だって!笑あーもう、そんな顔しなくていいって笑
唯々怖いだけなんだって笑知ってるだろ?俺が怖がりなの。

Aの歌声は凄く好き。それでも、
聞き過ぎれば聞き過ぎる程、何か怖くなってくる。

だから、あまり聞きたくない」


「んー…」




なんて言っても、Aはよく分からない様な顔で見る。無自覚な迄のその声は、恐ろしい程独特で、Aらしさのある独創的な空間を作り出す。

あまり聞きたくないけど、好き

Aの歌声は、ナムジュナが一時同室だった時にAのその歌声を聞いて、心底惚れてAの為の作詞作曲を手掛けていたのも、俺は知っている。

俺だって、初めて聞いた時は鳥肌が立ったのを覚えている

レッスンを受ければ受ける程、その歌声に磨きがかかって、誰よりもその歌声が、綺麗で透明な汚れの無い水みたいに思う。




「ホソギヒョン」

HS「ん?」

「ホソギヒョンがもし、何かに溺れるとしたら、
俺の歌声で溺れて欲しいな」

HS「は、っ」


「溺れて、酸素を求めてもがいて、
力尽きて、海底の様なそこの深い部分迄溺れて欲しい」




あぁ、俺はAのその目も嫌い

純粋無垢な目をしてる癖して、何処迄も人を陥れる様な目が。A自身のその雰囲気も、何もかも。

それでも、同じメンバーである限り、それは何処迄も深く深く、もう既に溺れてしまっている。




「なんてね」
HS「ばか笑」





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作者名:RIKU | 作成日時:2022年8月16日 15時

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