癒しの源 2 (ページ37)

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癒しの根源 #87 ページ37

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電話の声と、テレビの放送が
同じ事を発した─────────…

"中西｢A、よく聞け｣"

[昨夜、中目黒区の路上で、対向車線を走っていた
車同士が衝突する事故が発生しました。]

"中西｢福本が、っ意識不明の重体で病院に運ばれた｣"

[尚、衝突した車を運転していたのは
睦月Aさんのマネージメントを務め、
福ちゃんの愛称で知られる、福本晴道さんであり

現在、意識不明の重体で入院しております。]

「福ちゃっ」

[衝突させた人は軽傷であり、警察の事情聴取によりますと｢故意でぶつけた。あいつがいるからAに近づけない。あいつさえ居なければいいと思った｣
と自供し自動車運転過失傷害罪の罪で逮捕しました。]

"中西｢Aっ｣"

「ふくちゃんｯｯ」

"中西｢っ｣"

頭が真っ白で、何も言葉が出てこなくて
クラクラと目眩がする様な感覚になって

ポタポタと涙が沢山出てきた。

何も聞いてない。
何も知らない。
福ちゃんが隣にいないのはやだ

嘘だって、悪戯を沢山する私への仕返しだって
誰か、っ誰でもいいから言って欲しい

嘘じゃよくないけど嘘でもジョークでも聞きたい

無事だって事の証明を
ちゃんと隣にいるよって言う存在を

誰か言って欲しかった

｢Aっ｣

「っもと、ちゃｯｯ」

福ちゃんと同じ柔軟剤の匂い。
福ちゃんも本ちゃんもいつもそばに居てくれた

私と一緒にお仕事をしているから福ちゃんは入院した

「っもと、ｯｯちゃんっ、ごめん、ごめんなさいっ
ふくちゃんっ、傷付けちゃったっﾋｯｸｯｯ福ちゃんっ
入院させちゃったっ、ごめんなさい、私がっ」

｢A！そんな事ないよ！
晴道は、いつも楽しそうに仕事してるし
Aの事も妹みたいに可愛がってるの知ってる

私だってそうだよ？

Aの所為じゃないから、そんな事言わないで｣

「だけど！」
｢違う、少なくともAの所為なんかじゃない

だから、自分を責めないで…ね？
Aまで失うなんて事したくないよっっ｣

頭が痛くなってきて
目の潤いが沢山出てきて

休みの日でも起こしに来る福ちゃんが待ち遠しくて

朝ご飯を食べない私を隣の福ちゃんの家で
本ちゃんが作ってくれた朝ご飯を3人で食べるのが

当たり前の世界の様だった世界が壊れた

本ちゃんと時々口喧嘩する福ちゃんを見るのが好き

起きてよ、っ福ちゃん…

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