♯07 神罰 ページ9
大倉信夫も私達の存在に気付いたようで即座に人質の首に刃物を近付ける。
「銃を捨てろォ!!!」
常守監視官は少し戸惑ったようだが智己さんがそれを制止し、自らのドミネーターを対象へ滑らせた。
「退がれ!!」
大倉信夫はそう言うと人質を突き飛ばし、ドミネーターを手に取った。
「は…ハハッ!!死ね!!!」
大倉信夫が私達にドミネーターを向け、叫ぶ。
しかし…
「な…ッ何だこりゃあ!?」
恐らく彼はドミネーターの指向性音声を聞いたのだろう。
ドミネーターは適性ユーザーでなければ使用することが出来ない。
愚かな話だ。
「ご愁傷様」
智己さんはプロだ。
対象のその一瞬の隙を逃さず、一本背負いをかます。
「がッ」
床に叩きつけられ苦しそうな声をあげる。
あぁこれで終わりか。
そう思ったのだが…
〔ガシャァァン!!!〕
まだ彼には力が残っていた!?
「「征陸さん/智己さん!!!」」
私と常守監視官の声が重なる。
もう悠長に考える暇はない!
「大倉信夫!あなたを…!!」
その時だった。
私が対象を排除しようとした時、彼と私の間に入ってきた人物が居た。
…‥慎也さんだ。
彼は迷うことなく対象を……‥
排除した。
「ぎ…ッイヤアアァァ!!!」
大倉信夫の断末魔の悲鳴が建物全域に響き渡る。
シビュラによる神罰によって彼は…
[消された]のだ。
この世界には必要のない人間として。
「…こ、狡噛…さ…」
常守監視官は信じられないと言った感じに狡噛さんの名前を呼ぼうとする。
…確かに初めての事件としてはショックが強い。
だが…
これは監視官、執行官としての宿命でもある。
すぐにでも甘えたことは言えなくなるだろう。
私とて初めこそは嫌だったが…
今では対象の執行に立ち会い過ぎて‥慣れてしまったのだから…
「ハウンド3執行完了」
「年寄りと女、新米を囮にするたぁイイ根性してんな。え?コウ」
「…給料分の仕事だろ。とっつぁん」
「後は人質の身柄を保護するだけですね」
そう言って彼女を怯えさせないよう同じ女性である私と常守監視官が向かった。
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明里香(プロフ) - 34話、常森じゃなくて、常守です。 (2022年10月19日 6時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 33話、変わりにじゃなくて、代わりにです。 (2022年10月19日 6時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 30話、爆死じゃありません。ライターによる引火が原因なら焼死です。 (2022年10月18日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 29話、常森じゃなくて、常守です。 (2022年10月18日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 27話、常森じゃなくて、常守です。2箇所もあります。 (2022年10月18日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シロリス | 作成日時:2013年3月17日 22時