♯30 解釈 ページ35
私と智己さんは今、現場へ向かうべく護送車に乗っている。
毎回のことながら車の中では会話はない。
でも今回は事が事なだけに軽く会話をしても任務には差し支えないだろう。
「……智己さん、１ついいですか？」
「ん？どうした？」
「智己さんは常守監視官の事、どう思ってます？」
少しの間があったけど智己さんは返事をしてくれた。
「そうだなぁ…なんて説明すりゃいいのか分からないが、[強い]のだろうなぁ」
「強い？」
どういうことだろう？
「…霧原の嬢ちゃんは仮に、自分の目の前に居る両親と自らを含んだ全ての人間を殺そうとしている犯罪者。どちらを救いたい？」
「それは考えるまでもないです。勿論自分の両親です」
「何故？」
「私にとってかけがえのない大切な人だからです」
そんなこと、当たり前だ。
「じゃあ逆に何故その犯罪者は救わない？」
…これも考えるまでもない。
「私の大切な人を奪おうと、自らの命を大切にしない人間なんて救う価値がないからです」
「はっはっは！こりゃ手厳しいなぁ。でもそれが最善の考えであることは間違いない」
……？
智己さんは何が言いたいのだろう？
「もしその犯罪者まで救ってしまったらまた自分達の命を脅かす存在になるかもしれない。そういうことだろう？」
「…はい」
「だから俺達はシビュラの選択に従って沢山の潜在犯を狩り取っている。少しでも傷つく人間が増えないように」
「そう…ですね」
「でも監視官殿は違った。シビュラの選択に抗ってまで、自分もろとも爆死しようとした島津千香に救いの手を述べた」
あ……！
「俺はそれを最近の若者には見られない特別な[強さ]だと感じた」
そういう考え方もあるんだ…
「俺の意見はそんな所だ…っと、丁度いい具合に現場についたみたいだな」
車の後部を見るとドアが開き始めていた。
「まぁあくまで俺の意見だ。別に深く考えなくてもいい」
私はもう少し常守監視官をよく見ないといけないようだ。
「…ありがとうございます。参考になりました」
「別に構わんよ。さ、行くぜ」
そうして私達は護送車の外へ足を運んだ。
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明里香(プロフ) - 34話、常森じゃなくて、常守です。 (2022年10月19日 6時) (携帯から) (
レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 33話、変わりにじゃなくて、代わりにです。 (2022年10月19日 6時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 30話、爆死じゃありません。ライターによる引火が原因なら焼死です。 (2022年10月18日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 29話、常森じゃなくて、常守です。 (2022年10月18日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 27話、常森じゃなくて、常守です。2箇所もあります。 (2022年10月18日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シロリス | 作成日時：2013年3月17日 22時
