☆番外編 時代の変わり目2 ページ29
「ゆ、許せない…!どうしてあなた達はそんなに笑っていられるんですか…?人を殺すのってそんなに楽しい…!?」
遅かった。
これ以上常守監視官をヒートアップさせない為にも──
「そりゃ俺達の仕事だからよ。こんなに割が良くて楽しい仕事なんて他にないぜ?」
出来れば余計な事を言わないで欲しい。
苦労するのは私なんだから。
「仕事って……!あなた達を公安局へ殺人未遂犯として連行します!その場を動かないで下さい!!!」
「お、おい!なんで俺達が連行されなきゃいけないんだよ!これから俺達、斤盛(おのもり)ホールで仕事なんだよ!」
うん。
やっぱり。
早く常守監視官の誤解を解かないと。
「あの、常守監視官?ちょっと勘違いしてるみたいなんで少し話が…」
「どうしたの…?」
「あなた方に聞きますけど、あなた達の仕事って演劇…じゃないですか?」
「そうだけど…それが何か?」
今度は常守監視官の顔が少し赤くなる。
「まずその斧の説明をお願いします」
「へ?これは人形の首を失敗して何度も切り落としてたら[血糊]が落ちなくなって赤く…」
更に赤くなる常守監視官の顔。
「じゃあ麻縄とかは?」
「これは人形を立て掛けるときバランスが悪いから…他の小物は演出の為」
となるとビニール袋は…
「黒いビニール袋は解体した人形のパーツを入れる物ですね」
「そうだよ。この作業が一番手間がかかるんだよねぇ」
「だ、そうですけど?常守監視官?この人達を公安局へ連行するんですか?人形の殺人未遂犯として」
「すいません…私の早とちりでした……」
恥ずかしさのあまり酔っ払った人のように顔が真っ赤になっていた。
「それでは演劇が終わったらセラピーを受けて下さいね」
「あぁ分かった。どうしても役者として仕事しているとその役と同じようなPHYCHO-PASSになるからな」
今回は何かの犯人役なのだろう。
だからPHYCHO-PASSがライトグリーンに染まっていた。
「それではお仕事頑張って下さいね」
「おう!公安局も頑張ってな」
そうして男達は車に乗って斧盛ホールへ向かった。
「さ、帰りましょうか常守監視官」
「うぅ…そうですね……」
私達が公安局に戻った後、皆も帰って来ていたのでその話をすると智己さんが、
「まぁ今じゃ本物の小道具を使った演劇なんてないからな。これも時代の変わり目なんだろうよ。ま、お嬢ちゃんが早とちりしたのも無理はないわな」
と言って軽く茶化していた。
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明里香(プロフ) - 34話、常森じゃなくて、常守です。 (2022年10月19日 6時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 33話、変わりにじゃなくて、代わりにです。 (2022年10月19日 6時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 30話、爆死じゃありません。ライターによる引火が原因なら焼死です。 (2022年10月18日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 29話、常森じゃなくて、常守です。 (2022年10月18日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 27話、常森じゃなくて、常守です。2箇所もあります。 (2022年10月18日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シロリス | 作成日時:2013年3月17日 22時