☆番外編 時代の変わり目 ページ28
『世田谷区、天音大通り(あまねおおどおり)にて規定値超過のPHYCHO-PASSを計測。当直監視官は執行官を伴い直ちに現場へ急行して下さい』
その日はこの放送から始まった。
「今日は常守監視官でしたね。他の皆は出払ってますし、私達だけで行きましょう」
「え…うん」
天音大通りに到着した私達は周囲に怪しい人物が居ないか確かめた。
すると2人組の男が私の目に止まった。
恐らくあの2人だろう。
「常森監視官、見つけました。あの2人です」
「ドミネーターは……」
「多分要らないでしょう。ホロスーツも要らないと思います」
「そっか…」
常守監視官が少し安心したような顔になる。
「それじゃ行きましょう」
私達はその2人組の男の下へ向かった。
「すいません。突然ですがあなた方のPHYCHO-PASSを提示してもらっても宜しいでしょうか?私達は公安局の者です」
「へ…?いいけど別に」
男達は何の抵抗もなくPHYCHO-PASSを提示してくれた。
「両方共ライトグリーンのようですね。軽い脅迫観念と暴力性が見られます。一応持ち物の検査をしても宜しいでしょうか?」
「構わないぜ。んじゃこの車の中の物もか?」
「はい。お手数ですがお願いします」
まず男達のカバンから出て来たのは、
煙草、ライター、財布、化粧品、ナイフ。
2人共が同じ物を一つずつ所持していた。
「ナイフって…何に使うんですか!? 」
常守監視官が叫ぶ。
「え…そりゃ体に刺すんだよ。こう…ブスッと」
軽く顔が青ざめる。
「ど、どうしてそんな事が簡単に…!車の中の物も見せて下さい!」
車の中から出てきたのは、
真っ赤に染まった斧、麻縄、スタンガン、黒い大きなビニール袋、
ガムテープ、手錠、手袋。
それぞれ一つずつ所持していた。
…?
何だろうこの違和感は?
明らかに殺人に使うような道具なのに…
「こ、この斧は何に使うですか!」
「これは首を切り落とすのに使うんだ。何度もやってるから赤いのが取れなくてね」
更に青ざめる常守監視官。
「この麻縄は!」
「動かないように固定するんだよ。手錠とガムテープも同じく」
「そんなのって……!」
ん…?
動かないように固定する?
動けないようにじゃなくて?
「この黒いビニール袋は!」
「これは斧で解体した後袋に詰めるんだ。これが中々に大変でねぇ」
笑いながら答える男達。
…なんとなく真相が見えてきた。
下手なことを常守監視官が口走る前に止めなけれ──
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明里香(プロフ) - 34話、常森じゃなくて、常守です。 (2022年10月19日 6時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 33話、変わりにじゃなくて、代わりにです。 (2022年10月19日 6時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 30話、爆死じゃありません。ライターによる引火が原因なら焼死です。 (2022年10月18日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 29話、常森じゃなくて、常守です。 (2022年10月18日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 27話、常森じゃなくて、常守です。2箇所もあります。 (2022年10月18日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シロリス | 作成日時:2013年3月17日 22時