『PSYCHO-PASS』シビュラに見放された執行官

♯10　善か悪か ページ12

「──なッ」

その時丁度到着した智己さんも一瞬現状の把握が出来ていないようだった。

「ひ…ッ」

慎也さんが死んだと思ったのだろうか。

更に彼女が怯える。

等の常守監視官はと言うと…

「もうやめて…そのライターを捨てて……‥でないとこの銃があなたを殺しちゃう…」

泣きながら彼女に落ち着くよう要求していた。

「お願いっあなたを助けたいの!!だからライターを捨てて!!早く!!」

常守監視官の想いが届いたのだろうか。

彼女には先程までのように興奮した様子はなく、ライターを手離した。

それが功を奏したのだろう。

『対象の驚異判定が更新されました。執行モードノンリーサル・パラライザー。落ち着いて照準を定め、対象を制圧して下さい』

ドミネーターがパラライザーモードへと変更された。

それを確認すると常守監視官が彼女へ微笑みながら向かう。

あぁ…考えと行動によってはこんなに穏やかに事を済ませることが出来るんだな。

私がそう考えを改めていた時だった。

「ひぐッ」

彼女がドミネーターによって撃たれた。

誰が撃ったのだろうか？

少し憎らしげに周囲を見渡すと積み重なれた物資の上に弥生さん、秀星さん、そしてドミネーターを構えた宜野座監視官が居た。

「常守監視官、君の状況判断については報告書できっちりと説明してもらう」

宜野座監視官…‥

「…………こりゃあとんでもない新人が来ちまったもんだな…」

智己さんが少し戸惑ったように想いを述べる。

それから私達は慎也さんと彼女を救急車へと運び、公安局へ帰投した。

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