第9話 ページ10
次の日。
朝餉が終わり、少し頭が痛いなと思いながら一人部屋で読書をしていた時のことだった。
「碧珠、いる?」
秀吉様が、私の部屋を訪れた。
そのため、私は読書の手を止め『はい、どうぞ!』と言うと、秀吉様が部屋へ入ってきた。
『どうしましたか?』
「えっとね!」
私の問に笑顔で答える秀吉様。
眩しいなあ、と思いつつ、自然と頬が緩むのを感じる。
「城下町、行かない?」
『城下町を…』
秀吉様からのお誘いは、とても嬉しいものだった。
秀吉様が作った城下町。
秀吉様が治める町。
「あー、・・・・・・嫌だった?」
『いえっ!是非行きたいです!』
思わず前のめりになってしまう。
そして…言った後に我に返る。
(恥ずかしい…っ!)
かぁぁ、と赤くなっていく頬を隠すように下を向くと、頭上から控えめな笑い声が聞こえた。
「ぷっ、ふふっ。良かった。じゃあ行こうか!」
『!…はい!
っえ、!?』
私が頷いた直後、秀吉様は私の手を取って部屋から走って出た。
勿論、廊下も走る。
「ひ、秀吉様っ!廊下は走っては──」
「ごめん三成ー!今回は見逃して!」
『み、三成様!すみません!』
丁度自室から出てきた三成様に謝りながらも、秀吉様と廊下を走る。
今迄こんな長い廊下を走るなんてこと、した事が無かった。いや、そんな長い廊下を歩いたこともなかった。
だからとても新鮮で、少しだけ楽しい。
・・・・・・悪い事だけどね。
・・・いつも自分の部屋に閉じ込められてたから、なんて。
私よりもかなり大きい秀吉様の背中を見ながら、ふわり、と笑みを零した。
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マスラ - 初めまして!とても面白いです!続き楽しみにしています。更新頑張ってください!(*^_^*) (2019年2月9日 17時) (レス) id: 9b6ae3d64f (このIDを非表示/違反報告)
奏琉斗 哀 - コメントありがとうございます。そうですよね、秀吉、私も好きです^^* (2018年10月20日 18時) (レス) id: ddcd85e1ba (このIDを非表示/違反報告)
奏琉斗 哀 - ニャン武士(^・x・^)さん» ありがとうございます。遅くなりますが、この後投稿させていただきます。 (2018年10月20日 18時) (レス) id: ddcd85e1ba (このIDを非表示/違反報告)
沖田総司 - キャー秀吉可愛い! (2018年10月17日 23時) (レス) id: 61bbaa65c6 (このIDを非表示/違反報告)
ニャン武士(^・x・^) - 面白いです!更新頑張ってください! (2018年10月11日 2時) (レス) id: 3f82ed1d40 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:奏琉斗 哀 | 作成日時:2018年9月22日 21時