【 2021.6.4 更新】 Move The World ～ RMPG short stories ～ (ページ3)

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◆ ３ ◆ contact／M.HASEGAWA ページ3

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凍りつくんじゃないか……と思うくらい寒い、朝。

手を伸ばして、隣りにあるはずの温もりを探すけれど………

「……………い、ない。」

どれだけ探しても、指先に触れるシーツは………冷たかった。

・

昨夜、脱ぎ散らかした服を掻き集め………急いで、身に付ける。

慌てて、リビングへ向かうと………

「おはよう。」

両手に、お皿を持ったまま……俺を見つめる、Aがいた。

「………」

俺を見た瞬間から、ずっと………笑いを堪えてる感じの、A。

「どうした？」

「………」

テーブルにお皿を置き、俺のすぐ目の前まで近付いて来たAは……

俺の両肩に手を置くと、俺の体をクルリと半回転させた。

「えっ…」

「いいから…こっち。」

Aに両肩を持たれたまま、歩かされて………辿り着いたのは、洗面台の鏡の前。

「慎こそ、どうした？」

俺の背中から、ヒョコッと顔を出した………笑顔の、A。

鏡の中には………

壮絶な寝癖を爆発させてる、俺がいた。

・

とうとう、堪えきれなくなったのか……背中越しのAが、声を上げて笑う。

何なら、ちょっと……涙目だし。

「そんな、笑う？」

「わ……らう………」

そう言った、Aは……鏡の中から、いなくなった。

・

振り返ると………足元にしゃがみ込んで笑い崩れてる、A。

そんな、Aの前に………俺も、しゃがみ込む。

・

「………笑い過ぎ。」

「ご、めん………今日のは、特別激しいから。ホント、ごめんね。」

顔の前で両手を合わせながら、俺を見つめる………A。

大丈夫だよ。

こんなんで、ガチで怒る訳ないじゃん。

俺の寝癖なんて、日常茶飯事だしさ。

だけど。

そんな、笑われると………

なんか、ちょっと……………

イジワル、してみたく………なるよね。(戯笑)

・

「朝ご飯……食べよ？ね？」

そう言って立ちあがろうとしたAの手を、掴む。

「慎？」

「その前に……俺の機嫌、直してよ。」

戸惑ってるAの顔も、好きだなぁ………なんて、思いつつ。

Aの手を、引き寄せて………

その唇へ、キスを落とした…………………

◆