【 2021.6.4 更新】 Move The World ～ RMPG short stories ～ (ページ12)

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◆ 10 ◆ ripples／L 【2021.6.4】ページ12

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MV撮影の、今日………

朝から、全く落ち着かない……………心臓。

何人かのメンバーからも、様子が変だと言われた。

そりゃ、そうだ。

今日の、MV撮影の相手役は……密かにずっと憧れていた女優・Aさん。

初めて聞いた時は、メンバー全員が驚いた。

ザワつく、会議室の中で………

平静を装うのに、労力使いまくったんだよな。(苦笑)

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自分らの曲の中で、かなり大人っぽいムーディーな楽曲。

彼女の両瞳を見つめながら、ソロのパフォーマンスをしなきゃならない。

こんな状態で、ちゃんと………音、取れるのか？

・

ダンスシーンを、何とか終えた………のは、いい。

次のシーンが………大問題だった。

セットの中にあるのは……大きなベッド、一つだけ。

曲にのせて、彼女を……ベッドに……………

「スゴく、大きなベッドですよね？」

突然、隣りから聞こえた声に振り向くと………

「高そう……」

ベッドを見つめながら呟く、Aさんがいた。

「あれ……シルクのシーツですよね？」

彼女の視線の先にある、ベッドを見ると……シルクのシーツが、目に入る。

「カメラ、上からも撮るみたいなので………シーツの波紋が、綺麗に出るといいんだけどな。」

「波紋……ですか？」

「はい。力矢さんに倒してもらった時、シーツの動きが綺麗に出るといいな……って。」

Aさんは、自分に微笑みかけてくれた。

「素敵なシーンに、しましょうね。」

「はい。」

・

“憧れの人”は……やっぱり、めちゃ素敵な人だ。

彼女の一言で…浮ついていた気持ちが、落ち着いた。

素敵なシーンにする事。

それが、今やるべき事。

・

流れる曲に合わせ……彼女を、ベッドへ押し倒す。

彼女の体が、倒れ込んだベッドには……美しい波紋が、広がっていった。

・

・

OKテイクをチェックした監督からも、映像を見たメンバーからも、めちゃ褒められて……かなり、恥ずかしい。(苦笑)

中には…
“本当の恋人同士みたい”なんて言ってくれるメンバーも、いたりして。

まぁ…“憧れの人”だからね。

ある意味、好きな気持ちは本物だから。

皆には……………内緒、だけどね？(笑)

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