７１歩 ページ24
「リアさんの妹、私の家に居た。」
「……。」
「足が悪くて、それで...、」
私が。
「リア姉ちゃんって……いつもいつも……!!」
私が。
「私が、もっと、……強かったら、…ッ!!」
こんなに無力だから。
老婆は静かな目で私を見ていた。
吐き出した。
「金も！解放も！数えらんないくらい使った！した!!!」
だから。
「だけど……っ！使われる人達の数は……
私一人じゃ全然減らない……ッ!!」
私のせいだ。
もっともっと私が犠牲になって、解放してあげればよかったんだ。
顔を手で覆う。
歯を食い縛った。
泣きそうだった。
今も。今も。
マリージョアの私の家には、解放してあげたかった人達がたくさんいるのに。
私が頑張っても何ひとつ変わらなかった。
無力だった自分を何度も何度も憎んだ。
嵐も呼べる。
海王類も仲間にできる。
風も波も花も大地も。
全部が思い通りに出来る。
でもそんな能力も、人間の前では無と化した。
私の能力を知った親は、海楼石の鎖をいつも付けさせた。
「A様。」
声が降った。
「決して。あなたが弱いなんてことは決してないのじゃ。」
「強いということも、それと同じぐらい、存在しないことなのじゃ。」
「...え？」
顔をあげると老婆が、優しく微笑んでいた。
「重いものは下ろすといい。」
「……。」
「あなたの重荷を、運んでくれる人がいないということは絶対にない。」
「……！」
「あなたの乗った船は確か船員を�牴搬沖瓩噺討屬里任呂覆�ったのかの？」
「……！」
「あなたのおかげで今日(こんにち)。この島からあなたの家族を。」
「治療し、守り、必要な一員となった女が出て行き、生きているのじゃ。」
「……ッ!!」
「リアは元気か？」
「わしの孫なんじゃよ。」
老婆は金色の髪をしていた。
...
「そういえば船長さん。新しい仲間が入ったと聞いたのですが。」
「？あァ、新聞見てねェのか。……元天竜人の奴だ。」
「!!?て、天竜人……!?」
「いや、誤解すんな！めちゃめちゃ変わった天竜人だ。」
エースが村長にいった。
「どれい解放をやってた天竜人だよい。」
此処は街の港の広場。
船長、隊長と、島の町長が集まって、話していた。
「Aっていうんだい。」
「!!?」
「どうした、なんかあんのか？」
「A、そ、その天竜人……この島に来てた事が……。」
「！何だと？」
「島の皆が攫われる中、たった一人、反抗していた天竜人です。」
ラッキーアイテム
革ベルト
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伊東 灯 - ナースさん達とのやり取りが一番好きかも← (2017年1月30日 16時) (
レス) id: f526fe80d2 (このIDを非表示/違反報告)
(<●>д<●> ) - 面白いです！ 原作に沿って男キャラの、『俺』が「おれ」になっていて嬉しかったですw (2015年11月29日 16時) (レス) id: 3e3180481b (このIDを非表示/違反報告)
マイ - 91歩目がすごく感動しました！ (2014年8月17日 0時) (レス) id: 7eeceb7cb5 (このIDを非表示/違反報告)
みなっち - 恋愛系がんっばってなのだ (2012年3月13日 18時) (レス) id: f5e43b651c (このIDを非表示/違反報告)
ピコ - とっても楽しみです♪ (2012年3月12日 18時) (レス) id: 5ee57061a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Kanae | 作成日時：2011年10月31日 9時
