６６歩 ページ19
...
これと同じことを、昼間の場にいなかったマルコに伝えた。
「まァ、海賊の戦いの場にお前は出したくなかった。それでいいよい。」
「鍛えるのも面白ェと思ったんだけどなァ。」
「ったく、お前はまだAが入ったばっかりってことを忘れてねェかい？」
頭の後ろで腕をくんで、そういわれても楽しそうなエースと私とマルコの３人。
空は満点の星空。今日は一日中晴れだ。
「忘れてねェよ。...でも」
「「？」」
「怪我...してほしくねェんだ。」
顔を背けてそういったエースを、
しばらく呆然と見つめてしまった。
一瞬、
ほんの一瞬、
胸が、きゅっと締まった。
「あ、えっと、能力で治せるから、平気。」
「...。」
はあ、と短く息を吐いてエースがさっきより近い距離で話す。
「お前に怪我してほしくねェのに、何で怪我したあとで治るからはい分かりましたっておれらが返事するんだ。」
「...あ。」
言いたいことが分かった私は、エースの目を見た。
むすっとしたエースの顔の色が、少し赤かったような気がした。
「...お前に、二度とおれの見てねェところで怪我してほしくねェ。」
とん、と頭に優しく乗った彼の手から、ノエル達のことを言っているんだと分かった。
「分かったか？」
「...。」
「...。」
「...うん。」
「...。」
「よく分かったよ。」
「よし。」
しし、と歯を見せて笑った彼を見て、また言葉が詰まる。
そんな私達を見て、マルコがどんな顔をしてるかなんて
私が知る由もなかった。
...
私がこの海賊団に入って、一ヶ月近くたった。
船でも知ってる顔が増えて、船もある程度の地形は覚えた。
今日は、生憎の曇り、時々雨。
船員達が言うに、今月は妙なほど、海軍が少なくて、敵船も
あんま来なかったから、良かったっていってた。
戦闘が好きでも、やっぱり家族が傷つくのは皆嫌いみたいだった。
うん。良い海賊団だ。
そんな日の昼過ぎ。
昼食も食べ終わって、甲板で一人でいると、見張りにいる船員が何か叫んだ。
それがどんどん下に伝わって、しだいに全員に広がる。
傍で騒いでいた、船員が言った。
「島だ!!!!!!!!!!!!!!!」
思わず立ち上がって、海を見回す。
ずっと遠くに、少し影が見えた。きっとあれが島だろう。
船員達によると、今回の島は父さんのナワバリらしく、
自由にしてていいらしい。
島に着く前に、服とか、髪とかいつもより整えて、
出かける準備をした。
ラッキーアイテム
革ベルト
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伊東 灯 - ナースさん達とのやり取りが一番好きかも← (2017年1月30日 16時) (
レス) id: f526fe80d2 (このIDを非表示/違反報告)
(<●>д<●> ) - 面白いです！ 原作に沿って男キャラの、『俺』が「おれ」になっていて嬉しかったですw (2015年11月29日 16時) (レス) id: 3e3180481b (このIDを非表示/違反報告)
マイ - 91歩目がすごく感動しました！ (2014年8月17日 0時) (レス) id: 7eeceb7cb5 (このIDを非表示/違反報告)
みなっち - 恋愛系がんっばってなのだ (2012年3月13日 18時) (レス) id: f5e43b651c (このIDを非表示/違反報告)
ピコ - とっても楽しみです♪ (2012年3月12日 18時) (レス) id: 5ee57061a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Kanae | 作成日時：2011年10月31日 9時
