５８歩 ページ11
...
リア長の怒りは最高潮で、すぐにナース室に
Aを傷つけた私達は呼び出された。
リア長は腕を組んで、
こちらを睨みつけた。
「あんたたちは一体自分が何したか分かってんの!!?」
びりっとリア長の怒りが肌を刺した。
「っだって………！」
「……エースを好きなのは知ってるわよ。でもあんたら、何したか振り返って、」
「あたしの前でそれを全部吐けんの？」
「……っ、」
『私、何もしてないんですけど？』
好きだった。
エース隊長の事が。
強くて、責任感もあって、
かっこよくて、自由な笑顔が好きだった。
誰よりも誰よりも、好きな自信があった。
好かれようと頑張って。
周りのナース達も応援してくれてた。
なのに。
なのに。
それなのに、あいつは現れた。
初めて会った時は思わず振り返った。
目を見開く程の。
彼女は、体を包む何かがあたしらとは違ったんだ。
その顔がもし笑ったら、どれほど美しいのかと思ったほどだった。
嫉妬した。
化粧しないと、猫かぶりじゃないと、
貼り付けた笑みしか出来ない自分と、
何もしてなくても十分なあいつに嫉妬した。
羨ましかった。
エース隊長に近づけるあいつが。
だから狂った。
めちゃくちゃに、ぐちゃぐちゃになっちゃえと思った。
だから……＿＿
＿＿＿気づいたら泣いてた。
涙が溢れてきて、ぬぐう手が追いつかない。
「……ノエル。」
がくっとしゃがみこんだあたしにリア長が歩み寄る。
「ずっと、ずっと!!エース隊長が……すきだったのに……ッ!!」
いまさらになって、
自分のおかした過ちに、
深く深く気付いたような気がした。
「ごめんなさい……っ。」
A。
...
「……それでいいの。」
……、
でも、今までたってた、リア長がしゃがんで目線を私にあわせた。
その目はすごく優しくて。頭の上にリア長の手が乗った。
「……え？」
「あんた、今Aの為に泣いてんでしょ。」
「……。」
「人を好きになる気持ちは私にだって分かるわ。だから、」
「……、」
「ノエルはただ、Aが羨ましかっただけなのよね。」
「、ふッ……っ……。」
「謝ってきなさい。今のあんたなら、きっと許してもらえるはずだから。」
「……っはいっ……!!」
「いってこい。」
リア長が笑った。
「あんた、今すっごい良い女。」
立ち上がって、ナース室を飛び出した。
涙で崩れた化粧なんてどうでもよかった。
ごめんなさい。
ごめんなさい。
あたしが間違ってた。
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伊東 灯 - ナースさん達とのやり取りが一番好きかも← (2017年1月30日 16時) (
レス) id: f526fe80d2 (このIDを非表示/違反報告)
(<●>д<●> ) - 面白いです！ 原作に沿って男キャラの、『俺』が「おれ」になっていて嬉しかったですw (2015年11月29日 16時) (レス) id: 3e3180481b (このIDを非表示/違反報告)
マイ - 91歩目がすごく感動しました！ (2014年8月17日 0時) (レス) id: 7eeceb7cb5 (このIDを非表示/違反報告)
みなっち - 恋愛系がんっばってなのだ (2012年3月13日 18時) (レス) id: f5e43b651c (このIDを非表示/違反報告)
ピコ - とっても楽しみです♪ (2012年3月12日 18時) (レス) id: 5ee57061a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Kanae | 作成日時：2011年10月31日 9時
