４９歩 ページ2
...
貼り付けた笑顔は嫌いだ。分かる。
ノエルは初めて船に乗ったときから、あいつはよくおれに話しかけてきて。
その時は普通に良いナースだった気がする。
でも見た目も、声も、性格もだんだんエスカレートした。
猫撫で声で話すそいつは、何枚も何枚も違う色の仮面をつけて、
人によってその仮面を変える。
焦げ茶色の眼の奥には絶対黒い何かがあった。
Aがおれ達を避けてるのは絶対奴のせいだとサッチが言ってた。
おれもそう思う。
食べ終わって、モビーの頭で昼寝でもしようと甲板に出た。
空は晴れていて、潮の匂いで落ち着く。
最近甲板でAを見なくなったのが
心のどこかでなんとなく不安だった。
………何で、こんなにAのこと気にしてんだ、おれ。
「……リアに何か聞いてみっか。」
手の拳をあわせ、気を引き締めてリアを探した。
...
どうやら、ノエルさんはエースの事が好きらしい。
それも初めて会った時から、らしい。
……それもたった今知った事。
また呼び出されたのだ。
ほんと、いい加減にしてほしい。
またあれか、とか暢気な自分にあきれそうになる。
ちょっと、最近手足が痺れるようになってきた。
たまに眩暈もする。
さすがにこれはヤバいかなとか思った。
「……だからアンタ邪魔なんだよね。」
恋愛感情というものは、時に恐ろしいものに変わるようだ。
邪魔は何としてでも消すのが当たり前らしい。
「隊長も隊長よね。こんな女にかまうなんてさ。」
「、」
頭の中で、何かが切れた。
「……正直に言っていいですか。」
「……？」
「私、………何もしてないんですけど？」
心から睨んでやった。
今ので多少怯んだノエルさんは、
顔を真っ赤にして後ろにいたナースさん達に合図した。
ぶつかる
手 足 腕 腹に。
心に。
こんな事をやって一体何になるのかと、
たくさんいれば、自分は何をやってもいいのかと
思わず叫んで問いたいところだ。
迫る、意識のシャットダウン。
目の前が暗くなってきた。
「そろそろやばいかもな……、」
能力は……ダメだ。
父さんに言われた。
一瞬でも
誰かに助けにきてほしいと
思った自分はおかしくなったのだろうか。
『A。』
……エースの顔が浮かぶなんて、
きっと頭が変になったんだと思う。
エース。
………エース。
「助けて、」
ドガァアン!!!
最後に見たのは聞いたのは
赤い炎と
私の名前を呼ぶ声。
ラッキーアイテム
革ベルト
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伊東 灯 - ナースさん達とのやり取りが一番好きかも← (2017年1月30日 16時) (
レス) id: f526fe80d2 (このIDを非表示/違反報告)
(<●>д<●> ) - 面白いです！ 原作に沿って男キャラの、『俺』が「おれ」になっていて嬉しかったですw (2015年11月29日 16時) (レス) id: 3e3180481b (このIDを非表示/違反報告)
マイ - 91歩目がすごく感動しました！ (2014年8月17日 0時) (レス) id: 7eeceb7cb5 (このIDを非表示/違反報告)
みなっち - 恋愛系がんっばってなのだ (2012年3月13日 18時) (レス) id: f5e43b651c (このIDを非表示/違反報告)
ピコ - とっても楽しみです♪ (2012年3月12日 18時) (レス) id: 5ee57061a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Kanae | 作成日時：2011年10月31日 9時
