第14章─７話 続出する負傷者 ページ10
少林寺は何とか起き上がり円堂にそう言った。
「そんなこと気にすんな！」
その後少林寺は音無の治療を受けた。傷口を消毒された少林寺は痛みに喘ぐ。
「選手交代をお願いします！」
「無謀にも神に挑むからだ」
音無の言葉に続き、そう言い残しデメテルは去っていった。
「何だと！」
「染岡！やめるんだ、わざとやったわけじゃない」
「くっ…！」
円堂に制され、染岡は大人しく引き下がる。試合続行が不可能になった少林寺に代わるのは半田だ。
「お前の分も戦ってくる！」
「お願いします…！」
少林寺の言葉に半田が頷く。
そして試合が再開された。ボールは再びデメテルに渡る。
「好き勝手させるかよ！」
「全員参加！」
「それが雷門サッカーでやんす！」
立ち塞がるのは土門、松野、栗松だ。
「ダッシュストーム！」
しかしデメテルによる必殺技で、3人もまた吹き飛ばされてしまう。
「ディバインアロー！」
そして三度、必殺シュートを打たれてしまった。
「爆裂パンチ！」
円堂は凄まじいパンチングでそれを弾き飛ばそうとする。しかしその抵抗も虚しく、円堂はまたゴールにボールごと吸い込まれてしまった。
「ゴーール！世宇子連続得点！あっという間に3点目だ！何と言う力の差、世宇子、雷門を全く寄せ付けない！その強さはまさに人を超えている！」
「マックス！栗松！」
倒れ込む円堂の耳に、そんな土門の声が飛び込んでくる。
「あーっと、また負傷！松野と栗松動けない！」
2人はベンチに運ばれた。栗松に代わり影野が、松野に代わり宍戸が入る。雷門の交代枠は残り1人となってしまった。
「これ以上好き勝手させるかよ！」
試合再開直後、ボールを持った染岡がそう叫びながら敵陣へ斬り込んでいく。
「メガクェイク！」
しかし、ディフェンス技によって染岡の身体は吹き飛ばされてしまった。染岡は鈍い音と共に地面に倒れ込む。円堂が叫んだ。
「染岡！」
「フォワードの染岡も負傷か？雷門絶体絶命！」
「染岡まで…！どうする、交代って言ったって…」
「僕が行きます！」
松野の言葉にそう反応したのは目金だった。
「僕だって…雷門の一員だ！」
「目金…！」
そして負傷した染岡に代わり、目金が試合に出ることになった。
「染岡に代わって目金！雷門、交代枠を全て使い切りました！」
試合再開直後、ボールを受け取った目金の前に立ち塞がる世宇子のディフェンダー。
「メガクェイク」
そしていとも簡単に、目金も吹き飛ばされてしまった。
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作者名：紫苑 | 作成日時：2023年10月3日 0時
