第14章─５話 神の力 ページ8
「…来い！全力でお前を止めて見せる！」
「天使の羽ばたきを聞いたことがあるかい？」
その言葉と同時に、アフロディはボールと共に天高く飛び上がる。その背中には、純白の天使の翼が生えていた。
「…ゴッドノウズ！これが神の力！」
アフロディによって放たれた必殺シュートが、凄まじい力を放って円堂の元へ迫る。
「ゴッドハンド！」
円堂はそれをゴッドハンドで受け止めた。
「本当の神はどちらかな…？」
アフロディが放った必殺シュートは、いとも簡単にゴッドハンドを破って見せた。円堂はボールごと後方に飛ばされてしまう。
「恐るべきシュート、ゴッドノウズが雷門ゴールに炸裂！世宇子中先制！」
「ゴッドハンドが…」
「やはり、通じないのか…！」
豪炎寺と鬼道がそう呟いた。他の雷門メンバーたちも唖然とした表情を浮かべている。
「何と言うことだ、世宇子キャプテンアフロディ、雷門イレブンにボールを全く触らせることなく得点！これぞまさに神の領域のプレー！」
「分かったかい？これが、君が愚かにも勝とうとしていた相手の実力だよ…」
アフロディはそう言って円堂の元を離れる。倒れ込む円堂の元へ風丸たちが駆け寄った。
「円堂！大丈夫か？」
「ああ…大丈夫だ」
しかし、そう言う円堂のグローブは黒く染まっている。その手は小刻みに震えていた。
「たった一度のシュートで…！」
「ああ、凄いシュートだった…でも、次は止めて見せる！」
風丸の言葉に、円堂は笑顔でそう言った。
「円堂…」
「よーし皆！今度はこっちの番だ、取られたら取り返そうぜ！」
一之瀬が皆にそう叫ぶ。風丸もそれに続いた。
「点を取るぞ！」
「おー！」
そんな雷門イレブンの様子を見ていた、世宇子中の選手たちが口を開く。
「…諦めの悪い連中だな」
「フッ、彼ららしいよ」
アフロディはそう言って微笑んだ。
試合は雷門のキックオフで再開される。
「先制された雷門のキックオフで試合再開だ！」
しかし試合が再開されても、世宇子中の選手たちは1歩も動こうとしなかった。これには実況も驚愕の声を上げる。
「どういうことだ世宇子中、全くディフェンスをしない！攻め込まれても世宇子は動かない！」
そして呆気なく、染岡たちが必殺技を放った。
「「ドラゴントルネード！」」
「ツナミウォール！」
世宇子中キーパーは必殺技で受け止めた。それはドラゴントルネードを難なく弾いて見せる。
「ドラゴントルネードが！」
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作者名：紫苑 | 作成日時：2023年10月3日 0時
