【無印イナイレ】その花は蝶の夢を見るか５ (ページ4)

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第14章─１話　運命の日ページ4

そして、遂に訪れた運命の日。フットボールフロンティア全国大会の決勝戦当日。

「これは…」
フットボールフロンティアが行われていたスタジアムの前で、円堂がそう呟く。雷門イレブンの前にあるスタジアムの入口には、閉鎖と書かれた看板が立てられていた。

「誰もいないぞ」
辺りを見回して一之瀬がそう言った。

「どうなってんだ…？」
円堂もそう呟いたその時、誰かの携帯電話が鳴り出した。夏未の携帯だ。

「え？どういうことですか？でも今更そんな…」
電話に出た夏未は驚愕の表情を浮かべる。

「はい…はい、分かりました」
そう言って、夏未は電話を切った。

「誰からだ？」
「大会本部から。急遽決勝戦の会場が変わったって…」
円堂の言葉に夏未はそう答えた。

「変わった？変わったってどこへ？」
「それが…」
するとその時、皆の頭上から物音が聞こえてきた。全員が空へ視線を向ける。

「何だあれ！」
思わず土門がそう叫ぶ。全員の目に飛び込んできたのは、天高く浮かんでいる、巨大な円形の鉄のかたまりだった。鬼道が口を開く。

「まさか、決勝戦のスタジアムと言うのは…」
「ええ…」
「え、あそこが？」
頷く夏未に、円堂がそう言った。夏未曰く、天高く浮かぶ鉄のかたまりこそが、決勝戦のスタジアムだと言うのだ。

「ここが、試合会場？」
　地上に降り立ったスタジアムに足を踏み入れた雷門イレブン。その中にあったフィールドを見回して、円堂がそう言った。

「決戦当日になって、世宇子スタジアムに変更…影山の圧力ね。どういうつもりかしら」
夏未も怪訝そうな表情で辺りを見回しながら呟く。彼女と同様に辺りを見回していたAは、ふと視線を上へ向けた。

「影山…！」
するとその目に飛び込んできたのは、フィールドを見下ろす影山の姿だった。彼女の声に反応したその男は、Aたちを見下ろしてニヤリと微笑む。

「…円堂、話がある」
すると、響木が円堂にそう言った。

「？はい」
「大介さん…お前のおじいさんの死には、影山が関わっているかもしれない」
「！」
響木の口から出た驚愕の言葉に、円堂だけでなく全員が驚いた表情を浮かべた。

「じいちゃんが、影山に…？」
「ああ」
響木の返事に、円堂は怒りを顕にした。拳を力強く握りしめ、身体を震わせている。その様子を見かねた夏未が響木へ苦言を呈した。

「響木監督、なぜこんな時に…！」
夏未の言葉に響木は答えない。どうやら響木は、じっと円堂の様子を伺っているようだ。