第14章─11話 何度でも ページ14
「大丈夫！俺はやれる！やらなきゃならない…俺たちは、世宇子のサッカーが間違っていることを示さないといけないんだ！」
円堂の言葉に、全員が頷く。皆同じ気持ちなのだ。
「よし、行け！」
「はい！」
響木の合図で、皆はフィールドへと戻っていく。不安な気持ちは皆同じ、試合をやめさせたいという気持ちも皆同じだった。それでも彼らは、戦わなければいけない。
「じいちゃん…力を貸してくれ！」
カバンから取り出した、円堂大介がかつて付けていたグローブに取り替えて、円堂がそう呟いた。
そしていよいよ後半戦が開始される。
「フットボールフロンティア全国大会決勝、後半戦開始！さあ雷門反撃なるか！」
後半開始と同時に、豪炎寺が攻め込んでいく。
「点を取る…そして勝つ！」
「神には通用しない！」
豪炎寺に立ち塞がったディフェンダーと激しくぶつかり合う豪炎寺。
「「まだだっ！」」
そこに駆けつけた鬼道と一之瀬が加勢する。
「無駄だ、神には通用しない！メガクェイク！」
そして三度繰り出される必殺技によって、3人は吹き飛ばされてしまった。その後も世宇子の猛攻は止まらない。
「皆！」
あっという間に、円堂以外の雷門イレブンが再び倒される。
「残るは君だけだ」
そう呟き、アフロディが円堂の守る雷門ゴールへ向け勢いよくシュートを放った。それを顔面で受け止め、円堂はその場に倒れ込む。しかし何度でも、円堂は立ち上がり続けた。
「なぜだ…勝ち目のない戦いに、どうしてそれほど熱くなれる？なぜ君は僕をイライラさせる…！」
アフロディはその後何度も何度も円堂目掛けてシュートを蹴り続ける。そして円堂は、何度でも立ち上がって見せた。
「サッカーを…大好きなサッカーを、汚しちゃいけない！」
「嘘だ…既に体力は限界のはず…！」
「そんなことは…そんなことは、許しちゃいけないんだ！」
「円堂…！」
その様子を受けて、雷門イレブンは立ち上がる。こうやって何度でも、いかなる時でも、雷門イレブンは諦めない心を持って強敵に立ち向かってきた。そして今まで、そうやって勝利を掴んできたのだ。
「これは、大好きなサッカーを守るための戦いだ！」
「円堂！」
皆が、円堂の名前を叫ぶ。雷門イレブンも、マネージャーも、監督も。みんなが円堂の名前を呼んでいる。
「感じる…皆の、サッカーへの熱い想い…！」
「神の本気を知るがいい…！」
第14章─12話 マジン・ザ・ハンド→←第14章─10話 前半終了
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作者名：紫苑 | 作成日時：2023年10月3日 0時
