アブノーマルと【黒】 (ページ46)

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恋と狂気ページ46

よこやま

…案の定、頭からあの時の光景が離れへん。
メンバーは、「恋煩い」だとか「恋するヨココ」だなんてからかうけど、そんなモンやないで、これ。

まぁ、そう思ってくれてた方が気が楽なのかも知らんけど。

黒「あ」

「あ、どうも、お疲れ様です」

ある現場で久しぶりに翔一くんと美優さんに会った。

連続殺人事件ではもう15人目の被害者が出とった頃やった。

「…俺らが事件に関係してるって、横山さんお思いですか？」

見透かすように、ジッと俺の目を見てからニヤッと笑った。

黒「まぁ、そう考えてるわ。うん…」

「もしもその予想が本当だったとして、横山さんはエリザと私たちをどうしたいですか？」

黒「どうって……どうにも、しないけど…」

だって、どうにも出来ひんことやんか。

人殺すなんて考えられへんし、ましてや、一応知人で、しかも世間に名の知られた人間が関係してるなんて、非現実的すぎる。

「言っておきますけど、俺らは犯人じゃないですし、被害者との接点は何一つと言っていいほど無いです」

黒「あ、犯人じゃないんや」

「人殺しなんて、馬鹿げたことしないですよ」

黒「でも、じゃあ、」

「俺らはこの事件を誰よりも近い所で傍観してるだけです」

傍観してるだけ？

あかん、ますます意味わからんわ。

いや、ただ、この人らも相当バケモンなのかも知らんってことは、わかったな…。