アブノーマルと【黒】 (ページ22)

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心中ページ22

むらかみ

今日のヨコの様子がおかしいのがやっぱり気になっとった。

メイクの時はいきなり話し始めるし、

撮影の時は、やけにカッコよかったし、

撮影終わりもよそよそしかったし、

で、いきなり楽屋から出てくし

みんなに話してみたら、やっぱり何か気にかかってたみたいで、俺らはヨコをさがした。

スタッフに聞いてみたけど、わからないって言われてもうて、うらうらしとったら

緑「あっ、ちょお、待って…しーっ」

大倉がいきなり小声になって、すぐ横の壁に耳をあてた。
俺らが不思議がっとると

緑「い、る！この中！」

顔で全力で訴えてくるから、俺らも一斉に壁や扉に耳をはりつけて中の音を聞いた。

『……ったね。死ん……天国行けるよって言われました』

黒「反応うっす……いつもなん？」

『まあ、慣れてるからです。横山さんは大丈夫ですか？誰かに話したりとか』

黒「してへんよ」

女の声と、ヨコの声。

すぐに聞こえたんが「死」とか「天国」とか、そういう不吉な言葉やったから、俺らの表情にもサッと真剣みがかかった。

黄「…まさか、二人」

青「付き合って、る？」

そのことしか頭に浮かばんかったし、あと、この会話から想定できるのは

赤「まさか……し、心中……？」

それ。

まさか二人、死ぬつもりなんか？

ありえへんけど、もしかしたらが頭から全然離れへん。

紫「確認しよ。今」

廊下で、俺らはしっかりと向き合ってお互いの顔を見た。そして、すばるがドアノブに手を掛けた

がちゃ

ぱちん

赤「…ヨコ」